犬同士が挨拶する際には、においをかいでから始めるという決まった順序があります。正しい挨拶の順序を守れば、喧嘩やストレスなく仲良くなることができます。

| 項目 | 望ましい状況 | 危険な状況 |
|---|---|---|
| 近づく速度 | ゆっくり、弧を描くように | 正面から直進・突進 |
| リードの状態 | ゆるいU字型 | ぴんと張って引っ張る |
| しっぽ | 中くらいの高さ・やわらかく振る | 高く立ててこわばって振る |
| 体の姿勢 | 横向きに立って探索 | 相手の上に乗りかかるか肩をかぶせる |
| 時間 | 3〜5秒後に自然に離れる | 10秒以上続けて凝視 |
3秒ルール:互いに3秒挨拶 → 引き離して反応を確認 → 大丈夫なら再接触

このような状況では、挨拶を避ける必要があります。
以下の兆候が見られたら、すぐに挨拶を中止し、距離を置いてください。無理に近づけると、攻撃や噛みつき事故に発展する可能性があります。 - 唸り声、歯を見せる、毛を逆立てる - 尻尾を体の下に巻き込み、体を低くする(極度の恐怖) - 唇を頻繁に舐めたり、あくびを繰り返したりする(ストレスのサイン) - 片方が逃げようとしているのに、もう片方が追いかける - 狭い廊下やエレベーターなど、逃げ場のない空間

品種や個体ごとの特性も必ず考慮してください。
犬は、同じ品種でも個体によって気質や身体条件が大きく異なります。鼻が短い短頭種(フレンチブルドッグやパグなど)は、興奮するとすぐにハァハァと息切れを起こしやすいので、過度に興奮させないよう気をつけてあげてください。視力が弱い老犬や聴力が弱い犬は、背後から近づくことに特に驚きやすいものです。また、まだ基本的なしつけが完了していない大型犬や、去勢していないオス同士が出会う場合も、緊張が高まりやすくなります。何より、同じ品種内でも行動の差は非常に大きく、幼少期にどのように育ち、どのように扱われてきたかが気質に深い影響を与えます。したがって、「うちの子は元来おっとりしている」という言葉は、確実な予測ではなく、あくまで期待に過ぎないことを常に覚えておいてください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Horwitz D, Mills D. BSAVA Manual of Canine and Feline Behavioural Medicine, 2nd ed. BSAVA, 2009.
[2] Overall KL. Manual of Clinical Behavioral Medicine for Dogs and Cats. Elsevier, 2013.
[3] Little S. The Dog Care Handbook: Things I Wish My Vet Had Told Me. 5M Publishing, 2024.
[4] Shepherd K. Introduction to Animal Behavior and Veterinary Behavioral Medicine, Ch.11.