犬が飼い主のあとをぴったりと付いてまわるのは、愛着と群れをなす本能が混ざり合った自然な行動です。ただし、分離不安につながるサインかどうかは、必ず区別する必要があります。

| 項目 | 正常な愛着 | 注意サイン | 分離不安 |
|---|---|---|---|
| ついて回る強さ | 時々休むこともあります | ほぼ常にくっついています | 1mも離れられません |
| 一人でいるとき | 落ち着いて休みます | 少しクンクン鳴きます | 吠える・破壊・排泄の粗相 |
| 外出の準備をするとき | 無反応です | 少し緊張します | ハアハアと呼吸・よだれ |
| 帰宅時の反応 | 嬉しそうに尻尾を振ります | 興奮が長く続きます | 過呼吸・排尿の粗相 |
| 改善の必要性 | False | True | True |
注意サイン以上であればトレーニング・獣医師への相談をおすすめします

このようなサインが見られる場合、分離不安の可能性が高いです。
複数の症状が重なる場合や、長期間続く場合は、単なる愛情表現ではない可能性があります。 - 飼い主が玄関付近に近づくと、震えたりハァハァと息切れをしたりします - 1人の時に吠えたり遠吠えをしたりする時間が長くなります - 扉や壁、自分の足を噛んで、自傷レベルで破壊します - トイレトレーニングが完了した子でも、1人の時のみ失敗します - 食欲が落ちたり、飼い主の前でのみ食べたりします このような症状は分離不安でよく見られますが、痛みや他の疾患でも同様の症状が現れることがあります。特に行動が突然変化した場合は、まず医学的な原因を除外する必要がありますので、叱るのではなく、行動修正トレーニングと獣医師の相談を受けてみてください。

品種・年齢別の注意点
特定の状況では、後についてくる行動が突然激しくなることがあります。 - 老犬: 視力や聴力が低下すると、飼い主のそばをより求めるようになります。認知症(犬の認知症)の初期の兆候である可能性もあります。 - 里親家庭での初期: 犬が初めて母犬や兄弟と離れると、ある程度の分離ストレスは正常な反応です。そのため、愛着が形成される初期段階では、後についてくる行動は自然なものです。 - 生活の変化: 引っ越しや飼い主の出勤パターンの変化など、環境や日常のルーティンが変わると、依存度が一時的に高まる可能性があります。去勢・避妊の有無が分離関連の問題の発生と関連しているという研究もあります。 - 品種: 分離不安に特に脆弱な品種があるという確立された見解はまだありません。品種よりも、個体の気質・経験・環境の方がより重要な役割を果たします。 普段と比べて突然後についてくる行動が激しくなった場合は、健康上の異常の兆候である可能性もあるため、確認が必要です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Horwitz D, Mills D, BSAVA Manual of Canine and Feline Behavioural Medicine, 2nd Edition, 2009
[2] Landsberg G, Hunthausen W, Ackerman L, Behavior Problems of the Dog and Cat, 4th Edition, 2023
[3] Overall KL, Manual of Clinical Behavioral Medicine for Dogs and Cats, 2013