妊娠後期の準備用品から分娩の3段階、緊急時の判断まで、飼い主さんが知っておくべき出産までの全过程をまとめました。犬の応急処置法についても一緒に解説します。

| 項目 | 用途 | 準備時期 |
|---|---|---|
| 分娩箱(ホエルピングボックス) | 母体と子が安全に過ごせる空間 | 分娩2週間前 |
| デジタル体温計 | 体温の低下を感知して分娩時期を予測 | 分娩1週間前 |
| 清潔なタオル10枚以上 | 子を拭く、母体の保温 | 分娩1週間前 |
| デンタルフロス・消毒したハサミ | へその緒の結紮および切断(必要時) | 分娩1週間前 |
| 電子はかり(1g単位) | 新生子の体重測定 | 分娩1週間前 |
| 動物病院の夜間連絡先 | 緊急時に備える | 分娩2週間前 |
分娩箱は母体が前もって慣れられるよう、2週間前から設置しておいてください

すぐに動物病院へ連れて行かなければならない危険なサイン
次のいずれかに該当する場合は、迷わず直ちに緊急診療を受けてください。①強い陣痛が20分以上続いているのに犬が生まれない場合 ②弱い陣痛が2時間以上続く場合 ③犬の出生間隔が4時間以上空く場合 ④外陰部から黒緑色の分泌物が出ているのに犬が生まれない場合 ⑤母犬の体温が39.5℃以上、または36℃以下の場合 ⑥母犬が意識がもうろうとするか、痙攣を起こす場合。このようなケースでは子宮無力症、難産、子癇症の可能性がありますので、帝王切開が必要になることがあります。

出産後の母犬のケアに関する注意点
出産後24時間以内に、母犬から緑色〜暗赤褐色のオロ(分泌液)が出るのは正常な現象です。ただし、悪臭を放つ場合や膿性の分泌液が見られる場合は、子宮感染(子宮蓄膿症)を疑うべきサインとなります。また、出産後1〜3週間の間に母犬が震えや痙攣、息切れを示す場合は、子癇(低カルシウム血症)の可能性がありますので、緊急の獣医療が必要です。特に小型犬は子癇発症のリスクが高いため、注意が必要です。母犬の食事については、授乳期にはエネルギー需要が大幅に増加するため、妊娠・授乳期専用フードを十分な量で自由給餌し、十分な母乳の分泌を促す必要があります。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Münnich, A. and Küchenmeister, U. (2014). Causes, diagnosis and therapy of common diseases in neonatal puppies in the first days of life. Reprod. Domest. Anim. 49 (Suppl 2): 64–74.
[2] Mila H, Grellet A, Chastant-Maillard S. Prognostic value of birth weight and early weight gain on neonatal and pediatric mortality: a longitudinal study on 870 puppies. 7th International Symposium on Canine and Feline Reproduction, 2012.
[3] Johnston, S.A. (2017). Veterinary Surgery: Small Animal, 2nd Edition.
[4] Lavely, J.A. (2006). Pediatric neurology of the dog and cat. Vet. Clin. North Am. Small Anim. Pract. 36 (3): 475–501.