犬の慢性腎不全(CKD)では、早期発見が治療の鍵となります。飼い主さんが知っておくべき重要な質問と回答をまとめました。



すぐに動物病院を受診すべきサイン
犬が突然激しく嘔吐したり、尿を一切出さなくなったりした場合は、直ちに動物病院へ連れて行ってください。これは腎機能が急速に悪化している可能性や、脱水による危機的な状態である可能性があります。また、口臭が非常に強く、極度の衰弱状態にある場合は、緊急処置が必要です。早期の介入は生存率を大幅に向上させます。
| 項目 | 主な症状 | 主な検査結果 | 主な対処法 |
|---|---|---|---|
| 初期(ステージ1) | 食欲減少、水を飲む量の増加 | 血中クレアチニンがわずかに上昇 | 水分補充、食事調整 |
| 中期(ステージ2〜3) | 嘔吐、体重減少、疲労 | クレアチニンおよびBUN上昇、SDMA増加 | 腎臓保護食、薬物治療 |
| 後期(ステージ4) | 持続的な嘔吐、無気力、尿が出ない | 強いアンモニア臭、電解質異常 | 輸液治療、血液透析(可能な場合) |
SDMAは早期の腎障害を検知するのに非常に感度の高い指標です。


注意すべき点:禁忌薬と食事療法
犬の慢性腎不全の患者様には、獣医師にご相談なく鎮痛剤や消炎剤などの薬を安易に使用しないことが安全です。腎臓は多くの薬物の排泄にも関与しているため、機能が低下している状態では、薬物の選択と用量に特に注意が必要です。また、一般的なドッグフードやおやつに含まれるリン(リン酸塩)の含有量が高いと腎臓に負担をかける可能性があるため、リンを制限した腎臓用療法食を推奨します。飼い主様は必ず獣医師にご相談のうえ、薬物とフードを選択してください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Notes on Canine Internal Medicine, 4th Ed, 2023
[2] Urinalysis in the Dog and Cat, 2022
[3] Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Ed, 2021