ペットのビタミンやミネラルの過剰摂取は、サプリメントの重複投与で簡単に起こります。脂溶性ビタミンやカルシウム・亜鉛の過剰症の症状、すぐに病院へ行くべきサインまでまとめました。

| 項目 | 過剰症状 | 危険度 |
|---|---|---|
| ビタミンA | 長骨骨折・頸椎脊椎症・跛行・食欲低下 | 高い |
| ビタミンD | 嘔吐・多飲多尿・腎不全 | 非常に高い |
| カルシウム | 跛行・軟部組織の石灰化・結石・高カルシウム血症 | 中程度 |
| 亜鉛 | 嘔吐・下痢・食欲低下 | 低い |
| 鉄分 | 嘔吐・血便・消化管出血・胃腸管の狭窄 | 高い |
急性摂取時はビタミンA・ビタミンD・鉄分が最も危険で、脂溶性ビタミン(A・D)とカルシウムは体内に蓄積して過剰になりやすいため、単独給与は獣医師と相談したうえで決めてください

このような兆候が見られたら、すぐに病院へ連れて行ってあげてください。
以下の症状のいずれかが24時間以上続く場合は、サプリメントとエサをすべて持参して病院にご来院ください。 繰り返す嘔吐・下痢: 1日3回以上、または血液や胆汁が混じっている場合 急激な多飲多尿: 普段の2倍以上の水を飲む 食欲の完全な消失: 24時間以上全く食べない 立ち上がり方の異常・震え: 後ろ足が弱くなる、筋肉の痙攣 歯茎の蒼白・血便: 鉄分過剰による消化管出血と貧血の兆候


大型犬や成長期の犬は、カルシウムに注意が必要です。
大型犬の幼犬にカルシウムを過剰に与えると、跛行(ふらつき)や軟部組織の石灰化といった筋骨格系の異常、そして高カルシウム血症を引き起こす可能性があります。市販のドッグフードにはすでに十分なカルシウムが含まれているため、獣医師の指示なしで別途カルシウムサプリメントを与えるのは避けてください。また、猫の場合、カルシウムやリンの過剰摂取は尿路結石のリスクを高めるため、多頭飼いの家庭ではおやつやサプリメントを共有する際に注意が必要です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] National Research Council, Nutrient Requirements of Dogs and Cats, 2006
[2] Fascetti AJ, Delaney SJ, Applied Veterinary Clinical Nutrition, 2nd Ed, 2023
[3] Hnizdo E, Hand MS, Small Animal Clinical Nutrition, 5th Ed