犬の血液検査結果にあるBUN・クレアチニン・SDMAの数値を、飼い主さんが自分で解釈する方法と、正常範囲の基準および段階別の意味をまとめました。

| 項目 | 正常範囲 | 注意段階 | 備考 |
|---|---|---|---|
| BUN | 8~25 mg/dL | 25~50 mg/dL | 食事・脱水の影響が大きい |
| クレアチニン | 0.3~1.3 mg/dL | 1.4~2.8 mg/dL | 筋肉量の影響を受ける |
| SDMA | 0~14 µg/dL | 14~20 µg/dL | 早期発見用 |
| 尿比重(USG) | 1.030以上 | 1.013~1.029 | 他の項目と合わせて見て意味があります |
検査機関・機器によって基準値が異なることがあります。必ず検査結果表の基準範囲欄と比較してください。
この数値の場合、すぐに病院へ再受診する必要があります。
クレアチニンが2.8mg/dLを超え、BUNが50mg/dLを超え、またはSDMAが25μg/dLを超えた結果が一度でも出た場合は、追加検査(尿検査・血圧測定・腹部エコー)が必要です。さらに、食欲低下、嘔吐、多飲多尿などの症状が併存している場合は、より緊急性が高まります。健康な状態でも、腎機能が75%以上損なわれないとクレアチニン値は正常範囲を超えないため、「一時的に少し高い」結果を軽視してはいけません。

| 項目 | クレアチニン(mg/dL) | 臨床的意味 | 飼い主の対応 |
|---|---|---|---|
| Stage 1 | < 1.4 | 腎臓の損傷はあるが数値は正常 | SDMA・尿検査で確認、6か月ごとに再検査 |
| Stage 2 | 1.4~2.8 | 軽症 — 症状がないか軽微 | 食事管理を開始、3~6か月ごとに再検査 |
| Stage 3 | 2.9~5.0 | 中等度 — 多飲多尿・食欲低下 | 療法食・リン制限・薬物を開始 |
| Stage 4 | > 5.0 | 重度 — 尿毒症の症状 | 入院・輸液・集中治療が必要 |
ステージの判定は安定した状態で2回以上測定した結果で行います。一時的な上昇はステージ確定の根拠になりません。

一緒に見てこそ意味のある数値——単独での解釈は禁止
BUN(血中尿素窒素)やクレアチニンだけを見ると、誤解を招くことがあります。同じ検査項目で、リン(P)、カリウム(K)、尿比重(USG)、尿タンパク/クレアチニン比(UPC)も併せて確認する必要があります。例えば、クレアチニンがわずかに高くても、尿比重が1.030以上であれば、腎臓が濃縮機能を維持していることを意味します。逆に、クレアチニンが正常範囲内でも、尿比重が1.020未満で尿タンパクが認められる場合は、初期の腎障害を疑うことができます。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Langston CE, Eatroff AE. Chronic Kidney Disease. Small Animal Critical Care Medicine, 3rd Ed
[2] IRIS Staging of CKD (International Renal Interest Society) Guidelines, 2023 update
[3] Polzin DJ. Chronic Kidney Disease. Textbook of Veterinary Internal Medicine, 8th Ed