猫の甲状腺機能亢進症と低下症の原因、症状、体重変化、治療法を、表を使って比較してまとめました。

| 項目 | 亢進症 | 低下症 |
|---|---|---|
| ホルモンの状態 | 過剰分泌 | 不足 |
| 体重 | 減少(食欲↑にもかかわらず) | 増加 |
| 活動性 | 過剰な活動・神経質 | 無気力・睡眠増加 |
| 食欲 | 過食レベル | 減少 |
| 心拍数 | 速くなる(頻脈) | 遅くなる |
| 被毛の状態 | 脱毛・ごわつき | 脱毛・乾燥 |
| 発症年齢 | 10歳以上の高齢猫 | 治療後または先天性 |
| 頻度 | 高齢猫でもっとも多い内分泌疾患 | 非常にまれ |
『The Cat: Clinical Medicine and Management』第2版に基づく

このような場合は、すぐに動物病院へお越しください。
呼吸が荒くなったり、歯茎が白っぽくなったりした場合は、すぐに救急病院へ連れて行ってください。甲状腺機能亢進症が長引くと、心臓に負担が蓄積されて心拍数が速くなり(頻脈)、血圧が上昇するため、それによる合併症を引き起こす可能性があります。一方、甲状腺機能低下症では、低体温、強い無気力、食欲の完全な消失が危険信号となります。また、24時間以上全く餌を食べない猫は、全身の状態が急速に悪化する可能性があるため、無理に様子を見ず、必ず病院を受診してください。

メチマゾールの長期服用における注意点
メチマゾール(カルビマゾール)は効果が高いものの、まれに副作用が現れることがあります。そのため、教科書では治療開始から1か月後に総T4(TT4)、全血球検査(CBC)、血清生化学、尿検査を再確認し、体重増加と症状の改善の有無も併せて評価することを推奨しています。その後は通常、4~6か月ごとに定期的にチェックを行います。薬の副作用が負担になる場合や、生涯にわたる投与が難しい場合は、根治可能な非侵襲的治療である放射性ヨウ素治療への切り替えも、獣医師と相談してみるのがよいでしょう。


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Little SE. The Cat: Clinical Medicine and Management, 2nd Edition. Chapter on Feline Hyperthyroidism
[2] Fuentes VL et al. Textbook of Cardiovascular Medicine in Dogs and Cats — Feline Hyperthyroidism
[3] Hill P, Warman S, Shawcross G. 100 Top Consultations in Small Animal General Practice (2011)
[4] Peterson ME, Kintzer PP, Hurvitz AI. Methimazole treatment of 262 cats with hyperthyroidism. J Vet Intern Med. 1988;2:150