猫の扁平上皮癌は、口や鼻、耳の先端など、皮膚と粘膜の境界部分にできやすい悪性腫瘍です。早期発見と手術による切除が、治療において最も重要な原則となります。


すぐに病院へ連れて行かなければならない緊急のサイン
口の中から血が混じったよだれを垂らす、食べ物を全く飲み込めない、顔の片側が腫れて触ると激しく痛がるなどの症状が見られたら、できるだけ早く動物病院を受診してください。扁平上皮癌は局所的に攻撃的に増殖し、周囲の組織だけでなく顎骨まで深く浸潤するがんであるため、診断が遅れるほど手術で完全に切除できる範囲を超えてしまう可能性があります。腫瘍自体が一夜にして突然できるものではありませんが、すでにできた病変を「もう少し様子を見よう」と先延ばしにする判断が、治療の機会を逃す最も一般的な原因です。
| 項目 | 口腔(口の中) | 鼻・顔の皮膚 | 耳の先 |
|---|---|---|---|
| 主な好発部位 | 舌の下、歯茎、口の内側・口蓋 | 鼻筋、まぶた、鼻先 | 耳の先の内側・外側 |
| 初期症状 | よだれ、口臭、食欲低下 | かさぶた、皮むけ、繰り返す潰瘍 | 赤み、かさぶた、かゆみ |
| 予後の傾向 | 比較的速い進行 | 早期切除時は良好 | 早期切除時は良好 |
| 主なリスク群 | 高齢猫(平均発症年齢11歳)、乳頭腫ウイルス関連の可能性 | 白い被毛の猫、屋外へのアクセス | 白い被毛の猫、日光への曝露 |
獣医腫瘍学の教科書および臨床報告に基づいて整理しました

治療後の再発予防のための管理ポイント
手術後は、獣医師の指示に従って経過に応じた定期的な再診を受けることが重要です。初期はより短い間隔で、その後は状態に合わせて間隔を調整していくことが推奨されます。紫外線への曝露を減らすため、日差しが強い時間帯は屋外への出入りを制限し、白い猫の場合は窓際からの紫外線も避けてあげてください。日焼け止めクリームよりも、紫外線カット窓フィルムを活用する方が猫にとってより実用的な方法として推奨されます。口腔衛生を継続的に管理することも、口腔健康の維持に役立ちます。体重や食欲の変化は毎日チェックして記録しておきましょう。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Withrow, S.J., Vail, D.M., Page, R.L. (eds). Withrow & MacEwen's Small Animal Clinical Oncology, 5th Edition. Saunders.
[2] Little, S.E. (ed). The Cat: Clinical Medicine and Management, 2nd Edition. Elsevier.
[3] Kudnig, S.T., Séguin, B. (eds). Veterinary Surgical Oncology, 2nd Edition. Wiley-Blackwell.