犬のジアルジアは、慢性下痢の一般的な原因です。通常の糞便検査では見落としやすいため、PCR検査や抗原検査が必要となります。治療にはメトロニダゾールやフェンベンダゾールを使用します。再感染を防ぐための家庭での管理法もまとめました。

| 項目 | 一般糞便検査(浮遊法) | ELISA抗原検査 | PCR検査 |
|---|---|---|---|
| 検出傾向 | シストが間欠排出される時は偽陰性が出やすい | 比較的高め | 最も高め |
| 検査時間 | 当日 | 当日~1日 | 1~3日 |
| 費用の水準 | 低い | 中程度 | 高い |
| 長所 | 速くて安価、生理食塩水での直接塗抹で生きた栄養型を確認可能 | シストが間欠的に排出される時期でも抗原で検出 | 感度が高く、他の腸内病原体も一緒に確認可能 |
| 短所 | シスト・栄養型が間欠排出され陰性が出ることがある | 単独では治癒判定は難しい | 費用と所要時間 |
慢性の下痢が疑われる場合は、一般糞便検査に抗原検査やPCRを併せて行うのがよいです。シスト(嚢子)は間欠的に排出されるため、単独の検査1回が陰性でも安心してはいけません。

このような場合は、すぐに動物病院へお越しください。
犬や老犬の場合、ジアルジア感染症だけでも脱水症状が急速に進むことがあります。下痢が24時間以上止まらない、便に血が混じる、元気がない・食欲がないといった症状が伴う場合は、すぐに動物病院で検査を受ける必要があります。犬で突然の嘔吐と血便が見られる場合は、パルボウイルス感染症などの他の緊急疾患との鑑別が必要です。


人間にも感染する可能性があります(人獣共通感染症)
ジアルジアは人獣共通感染症のため、飼い主さんも感染する可能性があります。特に小さなお子さん、妊娠中の方、免疫力が低下している方がいるご家庭では、うんちの処理後の手洗い、犬が口元をなめないようにすること、寝具を分けることが重要です。家族の中に似たような慢性的な下痢の症状が見られる場合は、人間用の医療機関でも診察を受けてください。ただし、人間と犬の間での感染頻度は比較的低いので、過度に心配する必要はありません。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Schaer M, Gaschen F. Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Edition. CRC Press, 2024. Chapter 9: Digestive Diseases
[2] Hall E, Williams D. The Dog Care Handbook: Things I Wish My Vet Had Told Me. M10831, 2024
[3] Robinson NJ et al. 100 Top Consultations in Small Animal General Practice. Wiley-Blackwell. Section 4: Gastrointestinal
[4] Companion Animal Parasite Council (CAPC) Guidelines: Giardia. 2024