猫の腎臓の数値は、BUN・クレアチニン・SDMAの3つを総合的に見ることで正確に解釈できます。各項目の正常範囲と段階ごとの意味、そして飼い主さんが必ず知っておくべきチェックポイントをまとめました。

| 項目 | BUN | クレアチニン | SDMA |
|---|---|---|---|
| 正常範囲 | 16~36 mg/dL | 0.8~2.4 mg/dL | 0~14 µg/dL |
| 境界(再検査推奨) | 36~50 mg/dL | 1.6~2.8 mg/dL | 14~18 µg/dL |
| 異常の疑い | 50 mg/dL超 | 2.8 mg/dL超 | 18 µg/dL超 |
検査機関・機器によって参考値が異なる場合があるため、結果票のreference rangeも一緒に確認する必要があります。

このような場合は、すぐに動物病院へお越しください。
腎臓の数値が一度高く出ただけで、必ずしも慢性腎臓病とは限りません。ただし、次のような兆候が同時に現れた場合は、迅速な再検査と処置が必要です。 • 24時間以上の食欲低下+嘔吐の繰り返し • 口からアンモニア臭(尿毒症の兆候) • 急激な体重減少・脱水 • 尿量が普段の2倍以上になるか、逆にほとんど見られない

高齢猫には、1年に1回の腎機能検査をお勧めします。
慢性腎臓病は年齢を重ねるにつれて発症しやすくなる疾患です。国際腎臓病学会(IRIS)も7~8歳以上をスクリーニング検査が必要なリスク年齢層と位置づけています。外見上の症状がほとんど見られない第1~2期で発見できれば、食事療法などによって病気の進行を遅らせ、生存率や生活の質を向上させることができるという報告があります。そのため、7歳以上からは定期的に、そして高齢になるにつれてより頻繁に腎機能の数値と尿検査を併せて受けることが推奨されています。


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Langston CE, Eatroff AE. Chronic Kidney Disease. Small Animal Critical Care Medicine, 3rd Edition
[2] Little SE. The Cat: Clinical Medicine and Management, 2nd Edition — Urinary Tract Disease, Chronic Kidney Disease in Cats
[3] International Renal Interest Society (IRIS). IRIS Staging of CKD Guidelines
[4] Englar RE. The Veterinary Workbook of Small Animal Clinical Cases — Case 28: Feline CKD