犬の心不全はABCDの4段階に分類されます。各段階ごとの症状、治療開始のタイミング、家庭でのケアのポイントをまとめました。

| 項目 | A段階 | B1段階 | B2段階 | C段階 | D段階 |
|---|---|---|---|---|---|
| 心臓の異常 | なし(高リスク群) | 雑音あり、大きさ正常 | 雑音あり、心臓の拡大 | 症状の発現 | 薬に反応なし |
| 症状 | 無症状 | 無症状 | 無症状 | 咳・呼吸困難 | 重度・難治 |
| 治療 | 経過観察 | 経過観察・定期検診 | 薬物開始 | 薬物の併用治療 | 入院・集中治療 |
| 検診の周期 | 年1回 | 6〜12か月 | 3〜6か月 | 1〜3か月 | 随時 |
ACVIM 2019ガイドラインに準拠

B2段階:症状がなくても薬を始めるべき理由
B2期は症状が全くないため、飼い主さんが「まだ大丈夫なのに、薬を飲ませるべきか?」と迷う段階です。しかし、この時期に薬を始めた犬は、薬を始めていない犬に比べて心不全の症状発現が平均15ヶ月遅くなるという研究があります。心雑音が聞こえると言われた場合は、必ず心エコー検査でB1期かB2期かを確認してください。

すぐに救急外来を受診すべきサイン
次の症状のいずれかが見られた場合は、一刻も早く夜間・救急動物病院へ連れて行ってください。 - 歯茎が青紫色に見える(チアノーゼ) - 座った姿勢でしか呼吸できず、横になろうとしない - 1分間の呼吸数が60回以上、腹式呼吸をしている - 失神後、意識が戻らない - 泡を混じえた咳(肺水腫の疑い) 肺水腫は数時間以内に命を落とす可能性のある緊急事態です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Handbook of Veterinary Pharmacology - Drugs Used in Heart Failure Therapy
[2] Notes on Canine Internal Medicine, 4th Edition - Heart Failure Management
[3] Textbook of Cardiovascular Medicine in Dogs and Cats - Chronic Valvular Disease Staging
[4] 100 Top Consultations in Small Animal General Practice - Congestive Heart Failure Ch.57
[5] ACVIM Consensus Guidelines for the Diagnosis and Treatment of Myxomatous Mitral Valve Disease in Dogs, 2019