犬の毛包虫症は、デモデクス・ダニの過剰増殖によって引き起こされる寄生虫性の皮膚疾患です。局所型は自然治癒することもありますが、全身型では継続的な治療が必要であり、早期発見が完治の鍵となります。


すぐに病院へ連れて行くべきサイン
脱毛部位が急激に複数の箇所に広がり、皮膚から膿や汁が出たり、強い悪臭がしたりする場合は、すぐに動物病院を受診してください。全身性の毛包虫症に二次的な細菌感染症(膿皮症・深在性毛包炎)が合併すると、出血性の滲出液や厚い痂皮、リンパ節の腫大などが生じ、全身状態が著しく悪化することがあります。過去には、このような重症の全身型が安楽死を考慮するほど深刻に進行した例もあったため、迅速な治療が重要です。


高リスクな犬種と再発予防の注意点
ブルドッグ、シャー・ペイ、ダックスフンド、ドーベルマンなどの犬種では、毛包虫による皮膚感染症に対する遺伝的な免疫の弱さが報告されています。そのため、子犬の頃から皮膚の状態をこまめに観察し、定期的な健康診断を受けることが大切です。治療薬は必ず獣医師と相談して選ぶ必要があります。特に、以前はよく使われていたイベルメクチンなどの薬は、コリー系の犬種では神経毒性や網膜損傷のリスクがあるため、注意が必要です。また、成犬で全身性の症状が新たに現れた場合は、クッシング症候群などの内分泌疾患など、別の病気が隠れている可能性があります。血液検査や生化学検査、ホルモン検査などで原因を一緒に探りながら、適切に管理することが重要です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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