このガイドでは、眼科獣医師の視点から、犬の白内障手術の病院ごとの費用範囲、手術可否を判断する眼科検査、そして術後4週間の回復段階別のケアポイントまでをまとめました。


このような兆候が見られた場合は、24時間以内に眼科での診察が必要です。
片方の目が数日間で急激にごくぼんだり、目を細めたり充血や涙が増えたりする場合は、すぐに眼科を受診してください。水晶体のタンパク質が漏れ出して水晶体誘発性ぶどう膜炎や二次性(ぶどう膜炎後)緑内障を併発すると、眼圧が急激に上昇し、短期間で視力を失う可能性があります。二次性緑内障は急性に進行することがあるため、迅速な応急処置が必要であり、特に糖尿病の犬での急な視力の変化は緊急事態です。
| 項目 | 一般動物病院の眼科 | 眼科専門病院 | 大学動物病院 |
|---|---|---|---|
| 手術前の総合検査 | 20,000円〜40,000円 | 40,000円〜60,000円 | 30,000円〜50,000円 |
| 片眼の手術(麻酔・入院含む) | 140,000円〜240,000円 | 240,000円〜380,000円 | 190,000円〜330,000円 |
| 両眼同時手術 | 270,000円〜430,000円 | 430,000円〜670,000円 | 360,000円〜570,000円 |
| プレミアム眼内レンズ追加 | 選択肢が限られる | 30,000円〜60,000円追加 | 30,000円〜50,000円追加 |
| 手術後の定期検診(1回あたり) | 8,000円〜10,000円 | 10,000円〜20,000円 | 10,000円〜10,000円 |
2026年5月時点の一般的な範囲です。合併症の有無、手術機器(超音波水晶体乳化吸引術=ファコエマルジフィケーションの有無)、眼内レンズの種類によって実際の費用はさらに高くなることがあります。正確な見積もりはERG検査の結果を見たうえで病院で直接受けてください。

品種や基礎疾患別の追加注意事項
プードル、コッカー・スパニエル、ビション・フリーゼなど、遺伝性白内障の発生率が高い品種は、両眼で進行するケースが多いため、片目の手術後も反対側の目を継続的に観察し、必要に応じて追加手術を検討する必要があります。また、一部の品種では白内障手術後に二次性緑内障のリスクがあるため、眼圧のモニタリングが特に重要です。糖尿病の犬の場合は、血糖値が安定してコントロールされた後に手術日程を組むのが望ましく、手術前後でインスリンの用量を再調整する必要があるかもしれません。基礎疾患がある場合は、麻酔や手術の前に全身の状態を十分に評価することが不可欠です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Maggs DJ, Miller PE, Ofri R, Slatter's Fundamentals of Veterinary Ophthalmology, 6th Edition, 2018
[2] Gelatt KN, Ben-Shlomo G, Gilger BC, Veterinary Ophthalmology, 6th Edition, 2021 — Chapter on Canine Cataract
[3] Davidson MG, Nelms SR, Diseases of the Lens and Cataract Formation, in Veterinary Ophthalmology textbook
[4] Bras D et al., Phacoemulsification Outcomes in 244 Diabetic Dogs, Vet Ophthalmol, 2006