猫のレンズ脱臼は、眼球内の水晶体が正常な位置から外れてしまう疾患で、痛みや視力低下を引き起こす可能性があります。早期発見と適切な治療が重要です。



すぐに動物病院を受診する必要がある緊急のサイン
目の急激な腫れや濁り、1時間以上まぶたを開けられない状態、涙が止まらない、目をこすったり掻いたりする行動が激しい場合は、すぐに病院へ連れて行ってください。レンズが前方に移動すると、角膜浮腫やぶどう膜炎、眼圧の変化を引き起こす可能性があります。視力が残っている眼の場合は、眼科専門の獣医師への紹介が必要になることもあります。治療が遅れると、視力低下が取り返しのつかないものになる可能性があります。



高齢の猫や特定の品種は、水晶体脱臼のリスクが高いです。
高齢の猫では、水晶体を吊り下げる靭帯(水晶体帯)が弱まり、水晶体脱臼を引き起こすことがあります。ただし、猫において遺伝性の原発性水晶体脱臼そのものは比較的稀です。むしろ、慢性ぶどう膜炎や慢性緑内障、外傷などに伴う続発性の脱臼の方が多く見られるため、こうした眼科疾患を抱えている猫の場合は、定期的な眼科検診が特に重要です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
| 項目 | 適用時期 | 効果 | 注意事項 |
|---|---|---|---|
| 薬物治療 | 部分脱臼、炎症・眼圧の初期 | 疼痛・炎症の緩和、眼圧の調節 | 原因疾患の併行治療が必要、一時的な効果 |
| 水晶体摘出手術 | 前房への完全脱臼、薬物で制御できないとき | 疼痛の緩和、一部視力の温存が可能 | 猫の続発性では常に推奨されるわけではない、感染に注意 |
| 反対側の眼の予防(縮瞳薬) | 片側の脱臼後に反対側を予防する場合 | 反対側の眼の脱臼リスクの低減 | デメカリウム・ラタノプロストなど、獣医師の処方が必要 |
治療方法は猫の状態や原因疾患、獣医師の判断によって決定されます。
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[1] Curtis R. Lens luxation in the dog and cat. Vet Clin North Am Small Anim Pract. 1990;20(3):755–773.
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[3] Feline Emergency and Critical Care Medicine, 2nd Ed. Elsevier; 2020.