猫の低カルシウム血症は、血液中のカルシウム濃度が低下することで、筋肉痙攣や興奮性の増加などの深刻な症状を引き起こす内分泌疾患です。早期の診断と適切な治療が重要です。



すぐに病院を受診する必要がある緊急のサイン
猫が痙攣を起こしたり、意識を失ったりした場合は、すぐに病院へ搬送してください。カルシウム値が極端に低下すると、心拍数が遅くなる徐脈や、心電図上でQT間隔やST区間の延長が見られるような不整脈を引き起こす可能性があります。獣医師が静脈注射で速やかにカルシウムを補給する必要があります。処置が遅れると、命の危険が高まります。



再発の予防と品種による注意点
原発性副甲状腺機能低下症は稀な疾患ですが、先天性の症例が報告されています。特定の品種で遺伝的に多いという説は現時点では根拠が確認されていないため、品種に関わらず獣医師と相談し、定期的な健康診断を受けることが重要です。また、授乳中の雌猫は出産前後に母乳によるカルシウムの喪失で低カルシウム血症(子癇)のリスクが高まるため、注意が必要です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Chew DJ, Leonard M, Muir W. Effect of sodium bicarbonate infusions on ionized calcium and total calcium concentrations in serum of clinically normal cats. Am J Vet Res. 1989;50(1):145–150.
[2] Feline Emergency and Critical Care Medicine, 2nd Ed. St. Louis: Elsevier Saunders. 2015.
[3] Applied Veterinary Clinical Nutrition, 2nd Ed. Elsevier, 2020.