猫のぶどう膜炎は、単なる目の炎症ではなく、FIVやFIPといった全身性の感染症のサインである可能性があります。正確な診断手順と治療の流れをまとめました。


このような兆候が見られたら、24時間以内に動物病院へお越しください。
次のいずれかにも該当する場合は、緊急事態に近い状態です。猫のぶどう膜炎は進行が速く、数日以内に緑内障や失明につながることもあります。 - 目の中に血が見える場合(前房出血)や、膿が溜まったような白い膜が見える場合 - 片方の瞳孔だけが小さくなっている場合や、光に反応しない場合 - 目が急に飛び出しているように見える場合や、触ると硬い場合(緑内障の疑い) - 食欲低下、体重減少、腹部膨満などの全身症状が同時に現れている場合(FIPの疑い) - 発熱、歯茎の蒼白、呼吸が普段より速くなっている場合
| 項目 | FIP(猫伝染性腹膜炎) | FIV(免疫不全) | トキソプラズマ症 |
|---|---|---|---|
| 発症年齢 | 主に3歳未満の若い猫 | 中高年以降の多頭飼育環境 | 年齢を問わない |
| ぶどう膜炎の様相 | 両眼性・重度の炎症・前房出血が多い | 慢性再発性・二次感染性 | 脈絡網膜炎を伴うことが多い |
| 随伴する全身症状 | 腹水・胸水・発熱・黄疸 | 口内炎・慢性呼吸器感染 | 発熱・筋肉痛・肝疾患 |
| 主な診断検査 | 滲出液のPCR・タンパク質分析 | FIV抗体検査 | IgM/IgG抗体・PCR |
| 治療反応 | GS-441524抗ウイルス薬で改善 | 二次感染の管理が中心 | クリンダマイシンによく反応 |
上記の表は一般の飼い主の理解を助けるための要約であり、実際の鑑別には獣医師の検査が必要です。

再発と合併症の予防
ぶどう膜炎は、一度治ったとしても原因となる疾患が残っていると再発しやすくなります。特にFIV(猫免疫不全ウイルス)、FIP(猫伝染性腹膜炎)、トキソプラズマなどの感染性原因では、慢性化したり再発を繰り返したりする経過をたどるケースが多く、定期的な眼科検診が必要です。合併症としては、炎症後に起こる二次性緑内障、白内障、網膜剥離、そして失明があります。検診の間隔は炎症の重症度や合併症、治療反応によって異なるため、眼圧測定と眼底検査を含む再診の頻度は担当の獣医師と相談し、継続的に受診することをお勧めします。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Edition — Feline Infectious Peritonitis chapter
[2] The Cat, Clinical Medicine and Management, 2nd Edition — Ocular manifestations of systemic feline disease
[3] Fundamentals of Veterinary Clinical Pathology, 3rd Edition — Effusion analysis in FIP
[4] Textbook of Cardiovascular Medicine in Dogs and Cats — FIP systemic vasculitis section