猫の鉤虫感染症は、小腸に寄生する線虫が腸壁に付着して血液を吸う寄生虫疾患です。特に猫では貧血や血便が急速に悪化するため、早期発見と治療が重要です。


すぐに動物病院へ連れて行かなければならない危険なサイン
猫で以下の症状のいずれかが見られた場合は、すぐに動物病院での診察が必要です。猫は体内の血液量自体が少ないため、鉤虫による吸血や腸からの出血で貧血が急速に進むと、短期間で命の危険にさらされる可能性があります。正確な時間を気にするよりも、これらの兆候が見られたら迷わず病院を受診することが安全です。 • 歯茎や舌が蒼白または白っぽく見える場合 • タール状の黒い便や鮮紅色の血便が出る場合 • 突然立ち上がれなくなったり、意識が不明瞭に見える場合 • 生後8週間未満の猫で下痢や嘔吐が繰り返される場合


室内で飼われている猫ちゃんも、定期的な駆虫が必要です。
多くの飼い主さんは、室内で飼う猫は寄生虫に感染しないと考えています。しかし、靴底や衣類、窓の隙間から虫卵や幼虫が持ち込まれることや、生肉や冷凍フードを介して感染する可能性があります。獣医学のガイドラインでは、生活環境や健康状態に応じて、成猫は年に1~4回程度糞便検査と駆虫を行い、猫は生後3週齢から9週齢まで2週間おき、その後6ヶ月齢になるまで毎月駆虫することを推奨しています。駆虫薬の種類や投与間隔は、生活環境に合わせて獣医師と相談して決めてください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Bowman DD et al., Georgis' Parasitology for Veterinarians, 10th Ed, Chapter 6: Nematoda (Ancylostoma spp., Uncinaria spp.), Elsevier, 2014
[2] Little SE (ed.), The Cat: Clinical Medicine and Management, 2nd Ed, Chapter on Gastrointestinal Parasites, Elsevier, 2022
[3] Ettinger SJ, Feldman EC (eds.), Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Ed, Wiley-Blackwell, 2022