ジャーマン・シェパードは、股関節や肘の形成異常に遺伝的に弱い大型の作業犬種です。4ヶ月齢から始める早期検査と、体重・運動・栄養の生涯管理が、関節の変形を遅らせるための鍵となります。


このような兆候が見られた場合は、すぐに整形外科の受診が必要です。
犬のシェパードでも、次の症状が24時間以上続く場合は、すぐに整形外科を受診してください。一歩も体重をかけずに片足を完全に引きずって歩く跛行、触ると痛みで悲鳴を上げたり噛んだりする反応、食欲低下に伴う発熱などは、股関節形成不全だけでなく、骨折や関節感染症も疑うべきサインです。
| 項目 | 股関節形成不全 | 肘関節形成不全 |
|---|---|---|
| 主な症状 | バニーホッピング、起立困難、腰を振る歩き方 | 前足の跛行、前足の外転 |
| 発症部位 | 股関節(大腿骨頭+寛骨臼) | 肘関節(上腕骨+橈骨+尺骨) |
| 診断方法 | 身体検査(オルトラーニ検査)+レントゲン(腹背側・伸展姿勢) | レントゲン(屈曲側面)、CT、関節鏡 |
| 健診の時期 | 骨格が成熟するほど等級評価が明確になります | 生後約5か月(20週)以降に診断可能です |
| 主な要因 | 遺伝的素因+栄養・成長速度・体格・運動などの非遺伝的要因 | 骨の結合異常による発達性疾患(遺伝的素因が関与) |
シェパードのような大型犬は両方の関節を一緒に評価するのが良いです。一度の健診で股関節と肘関節の両方を確認してください。

保守的な管理だけでは不十分な場合に検討する手術の選択肢
保存的治療で痛みがコントロールできない場合や、若いうちに症状が急速に進行する場合は手術を検討します。どの手術を選ぶかは、犬の年齢、関節の病態、期待する機能レベル、飼い主様の経済状況、執刀医の経験などによって異なります。シェパードのような体重の重い大型犬の場合は、画像検査で関節の状態を正確に評価した上で手術方法を決める必要があります。保存的治療も手術もそれぞれ長所と短所がありますので、必ず整形外科専門の獣医師と画像検査の結果を基に十分に相談した上で判断しましょう。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Piermattei DL et al., Textbook of Veterinary Orthopaedic Surgery, Chapter 9: Hip Dysplasia
[2] Schaefer SL et al., Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Ed., Hip Dysplasia chapter
[3] Smith GK et al., PennHIP Distraction Index and Hip Dysplasia in Dogs, JAVMA, 2012
[4] Orthopedic Foundation for Animals (OFA) Hip & Elbow Statistics by Breed