パグは短頭種特有の眼の突出により、角膜損傷のリスクが高いです。日常のケアから緊急時のサインまで、パグの目の健康管理で知っておくべきポイントをまとめました。


すぐに救急病院へ連れて行かなければならないサイン
眼球脱出(プロラプス)は、時間との勝負です。眼球が眼窩から外に脱出する緊急事態であり、一刻も早く処置を行うほど、視力や眼球を維持できる可能性が高まります。また、角膜に深い傷(角膜穿孔・裂傷はそれ自体が緊急事態です)が見られる場合や、片方の目を完全に開けられず痛みで震えながら目をぎゅっと閉じている場合は、通常の診療ではなく24時間対応の緊急動物病院を受診してください。緊急搬送中は、清潔な生理食塩水で湿らせたガーゼを眼球表面に軽く当てて乾燥を防ぎますが、脱出した眼球や傷の部位、分泌物をこすったり拭き取ったりせず、その状態のまま保護して搬送してください。

パグが避けるべき環境
エアコンの冷風やヒーターの正面、埃の多い場所、草むらを激しく歩く散歩などは、すべて角膜に直接的な刺激となります。車窓から頭を出しているのも、目に異物が入る事故の一般的な原因です。さらに、他の犬と粗相な格闘をするような遊び環境も、眼球突出のリスクを大きく高めるため、パグは小さく穏やかな犬たちと遊べるように環境を整えてあげてください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Hendricks JC, Brachycephalic Airway Syndrome, Textbook of Respiratory Disease in Dogs and Cats
[2] The Veterinary Workbook of Small Animal Clinical Cases, Case 15 & Case 41
[3] Maggs DJ et al., Slatter's Fundamentals of Veterinary Ophthalmology, 6th ed.