パグは短頭種特有の顔貌構造により、熱中症のリスクが非常に高い犬種です。夏場の散歩、車内での安全対策、緊急時の兆候など、飼い主さんが必ず知っておくべき体温管理のポイントをご紹介します。


このような兆候が見られたら、それは緊急事態です。
次の症状のいずれかが見られたら、直ちに行動を起こす必要があります。黄金時間は30分以内です。 - 舌や歯茎が濃い赤や紫色に変色する - 大量のよだれを流し、ハァハァと息切れが止まらない - 体を支えられず、よろめく - 嘔吐、下痢(特に血便) - 意識がもうろうとする、または痙攣を起こす - 体温計で測定した際に40度以上 涼しい場所へ移動させ、冷たい水ではなくひんやりとした水で体を湿らせた後、直ちに動物病院へ連れて行ってください。

| 項目 | 春・秋 | 夏(6〜8月) | 冬 |
|---|---|---|---|
| 推奨時間帯 | 午前8〜10時 / 夕方5〜7時 | 早朝5〜7時 / 夜8時以降 | 昼12〜3時 |
| 外気温の基準 | 15〜22度で安全 | 22度以上は注意 / 26度以上は禁止 | 5度以上で可能 |
| 散歩の長さ | 20〜30分 | 10〜15分(短く頻繁に) | 20〜30分 |
| 地面チェック | 不要 | 手の甲5秒テスト必須 | 不要 |
手の甲テスト:アスファルトに手の甲を5秒間当てて熱ければ、犬の肉球にもやけどの危険があります
パグが特に危険なケース
次のようなパグは、同じ暑さの中でもはるかに早く危険な状態に陥る可能性があります。保護者の皆様は、一層の注意が必要です。 - 7歳以上の高齢パグ - 普段からいびきが大きい子(軟口蓋の垂れ下がりが疑われます) - 肥満または過体重(上気道閉塞がさらに悪化します) - 心疾患・気管虚脱の診断歴がある - 不安や興奮が強い状況(不安になると呼吸数が上がり、呼吸への負担が増します) このような場合は、夏場の長距離外出はできるだけ避け、短頭種気道症候群の検査を受けておくことをお勧めします。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Drobatz KJ, Heat Stroke, Small Animal Critical Care Medicine, 3rd Edition, Chapter 142
[2] Bruchim Y, Kelmer E, Cohen A, et al., Hemostatic abnormalities in dogs with naturally occurring heatstroke, Journal of Veterinary Emergency and Critical Care 27(3):315-324, 2017
[3] The Dog Care Handbook: Things I Wish My Vet Had Told Me, Heat Stroke in Brachycephalic Breeds Chapter