犬が跛行(ほこう)している場合、どの脚なのかによって疑われる疾患が異なります。前足と後足の原因別の違いと、すぐに動物病院を受診すべきサインをまとめました。

| 項目 | 歩行の様子 | 推奨される対応 |
|---|---|---|
| 1等級 | 歩くときはほとんど目立たず、速く走るときだけわずかに | 2~3日観察 + 散歩量を半分に |
| 2等級 | 歩くときに少し引きずり、走るときに明確に | 1週間以内に一般診療 |
| 3等級 | 歩くときに明確に引きずり、体重は一部かける | 48時間以内に整形外科の診療 |
| 4等級 | 体重をほとんどかけられず、脚をよく持ち上げる | 24時間以内に診療、画像検査が必要 |
| 5等級 | 脚を完全に持ち上げて歩き、触れると悲鳴を上げる | 直ちに救急診療 |
等級は獣医師の診察時における歩行評価の基準です。飼い主さまの自己判断用の参考値です。

このような場合は、すぐに救急病院へお越しください。
足を触ると悲鳴を上げたり、24時間以上足を完全に浮かせている場合は、単純な捻挫ではない可能性が高いです。外傷後に腫れや変形が見られる場合、両方の後ろ足が同時に力が抜けて座り込んでしまう場合、あるいは跛行とともに発熱・食欲低下・元気の低下が見られる場合は、骨折、靭帯の完全断裂、免疫介在性多発関節炎、椎間板ヘルニア、腫瘍などが疑われます。このような場合は、24時間対応の動物病院または整形外科での緊急診療が必要です。

犬が跛行している時に絶対にやってはいけないこと
人用の鎮痛剤(タイレノールやイブプロフェンなど)は、犬に腎不全や胃腸出血を引き起こす可能性があります。絶対に自己判断で与えないでください。また、跛行している脚を無理に伸ばしたりマッサージしたりすると、靭帯や筋肉の損傷を悪化させる恐れがあります。診断を受けるまでは、散歩の距離を30〜50%程度減らし、滑りやすい床でのジャンプや階段の昇降は避けさせてください。鎮痛剤は必ず獣医師の処方を受けてから使用してください。


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Edition — Chapter 15: Musculoskeletal Disorders
[2] Notes on Canine Internal Medicine, 4th Edition — Lameness and Joint Pain
[3] The Veterinary Workbook of Small Animal Clinical Cases — Case 44: Forelimb Lameness
[4] The Dog Care Handbook — Lameness Evaluation in Dogs