ペットのやけどでは、最初の15分間の冷却が生存と後遺症の有無を左右します。熱によるやけどと化学薬品によるやけどの見分け方、自宅ですべきことと絶対に避けるべきことをまとめました。

| 項目 | 1度 | 2度 | 3度 | 4度 |
|---|---|---|---|---|
| 損傷部位 | 表皮のみ | 表皮+真皮の一部 | 真皮全層 | 筋肉・骨まで |
| 皮膚の状態 | 赤く乾燥している | 水ぶくれ・浸出液 | 褐色または革のように乾燥 | 黒く焦げた状態 |
| 痛み | ヒリヒリする | 激しい痛み | 痛みが鈍くなる | 感覚がほとんどない |
| 緊急度 | 家庭で観察 | 病院を推奨 | ただちに病院 | ただちに救急病院 |
2度以上は自己判断禁止 — 獣医師の診察が必須

すぐに救急外来を受診すべき状況
以下のいずれかに該当する場合は、夜間でも24時間対応の動物救急病院へ直ちに連れて行ってください。 - 火傷の範囲が体表積の20%以上(範囲が広いほど全身合併症のリスクが高まるため、正確な範囲の評価は獣医師が行います) - 顔面、気道、目、生殖器、肉球の火傷 - 電線を噛んだ後の口腔・歯肉の火傷に呼吸困難を伴う場合 - 化学物質(漂白剤、バッテリー液、強酸、強アルカリ)への曝露 - 3〜4度の火傷(皮膚が茶色または黒く焦げ、痛覚反応が鈍い場合) - 呼吸が速い、または意識が不明瞭な場合 火災による火傷の場合は、鼻や口の周りの毛がすすで汚れたり角膜損傷を伴ったりすることがあるため、煙吸入による呼吸状態を特に注意深く観察する必要があります。電気火傷の場合も、感電後に呼吸異常やチアノーゼなどの異常徴候が見られたら直ちに救急病院へ向かい、無症状の場合でも火傷は数日かけて現れることがあるため、当日の獣医師による診察と数時間以上の経過観察が必ず必要です。

絶対にやってはいけない民間療法
人間用や俗説として知られる民間療法は、ペットのやけどを悪化させることがあります。以下の行為は絶対に避けてください。 - 氷や冷水の直接適用: 血管収縮により組織壊死が悪化します - 歯磨き粉・味噌・醤油・アロエジェル・ごま油: 感染や毒性のリスクがあり、舐めると中毒を引き起こす可能性があります - 人間用軟膏(フシジン・マデカソールなどの自己判断での使用): ステロイドや抗生物質成分がペットには適さない場合があります - 水ぶくれの破裂: 感染経路となり、真皮が露出することで痛みが悪化します - 綿やコットンで覆う: 繊維が傷口に付着し、除去時に二次的な損傷を引き起こします - 舐めさせること: 唾液内の細菌が傷口の感染を引き起こします


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Small Animal Emergency and Critical Care Medicine, 2nd Edition, Chapter: Thermal Burn Injuries
[2] BSAVA Manual of Canine and Feline Emergency and Critical Care, 3rd Edition
[3] Pavletic MM, Trout NJ, Bulletin on Electrical and Thermal Injuries in Small Animals, Veterinary Clinics of North America, 2006
[4] Muller and Kirk's Small Animal Dermatology, 7th Edition, Chapter: Physical and Chemical Injuries