ショックは、酸素と血液が組織に適切に供給されない緊急状態です。低血容量性と心原性の分類、および病院搬送前の対処法をまとめました。

| 項目 | 循環血液量減少性ショック | 心原性ショック |
|---|---|---|
| 主な原因 | 出血、重度の嘔吐・下痢、火傷 | 心不全、不整脈、重度の犬糸状虫症 |
| 心拍数 | 非常に速い(犬) | 速い、または遅い、あるいは不規則 |
| 歯茎の色 | 蒼白・白っぽい | 蒼白または青みがかる |
| 呼吸 | 速く浅い | 苦しそうに荒い息、咳を伴う |
| 四肢 | 冷たくぐったりする | 冷たい+肺水腫が疑われる場合は青色 |
| 初期処置 | 静脈輸液を速やかに投与 | 輸液は慎重に、心臓の薬を優先 |
Small Animal Critical Care Medicine 3rd Ed 基準

すぐに救急外来を受診すべき状況
次のいずれかの症状が見られる場合は、様子を見ている余裕はありません。すぐに動物病院へ向かってください。歯茎が白っぽくなったり青ざめたりしている場合、意識がないか名前を呼んでも反応がない場合、交通事故や転落事故の直後に元気がない場合、激しい出血・嘔吐・下痢が止まらない場合、呼吸が異常に速く苦しそうに見える場合(口を開けて呼吸している、腹式呼吸をしている)などが該当します。搬送中も毛布などで体温を保ち、嘔吐の可能性がある場合は横向きに寝かせて気道を確保してください。

猫はショックの兆候が異なる形で現れます。
猫は犬とは異なり、ショックの初期段階で心拍数がむしろ低下することがよくあります。『猫の救急医学』の教科書によれば、猫はストレス状況下で低体温、徐脈、低血圧という「三拍子」が同時に現れるケースが頻繁です。そのため、「ただ元気がないだけで大丈夫だろう」と様子を見ているうちに、症状を見逃してしまいがちです。隠れて出てこず、触れたときに体が冷たく、名前を呼んでも反応が鈍い場合は、猫のショックの代表的な兆候です。毛布で体を包んで体温を保ちながら、速やかに病院へ搬送する必要があります。


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] de Laforcade A, Silverstein DC. Classification and Initial Management of Shock States. Small Animal Critical Care Medicine, 3rd Ed.
[2] Feline Emergency and Critical Care Medicine, 2nd Ed. Shock chapter.
[3] Advanced Monitoring for Small Animal Emergency and Critical Care, 2nd Ed.