犬の脱毛には、非常に多様な原因があります。脱毛の現れ方は、単一部位、多発性、全身性などパターンによって異なり、そのパターンによって疑われる疾患や診断方法も変わってきます。

| 項目 | 単一部位(丸い一か所) | 多発性(複数か所) | 両側対称(全身・脇腹) |
|---|---|---|---|
| 主な疑い疾患 | 毛包虫症、皮膚糸状菌症(真菌)、注射・薬物の跡 | 細菌性(ブドウ球菌)毛包炎、毛包虫症、皮膚糸状菌症(真菌) | 甲状腺機能低下症、クッシング症候群、毛包異形成症 |
| かゆみの有無 | 通常は弱い | 通常は弱い~中程度(二次感染があると強くなることがあります) | 通常は弱い(たいていかゆみはありません) |
| 一次検査 | 皮膚細胞・掻爬検査、ウッド灯、真菌培養 | 深部掻爬検査、細胞・細菌検査、真菌検査 | 血液検査、甲状腺・副腎ホルモン検査 |
| 発現の速さ | 数日~数週間 | 数週間 | 数か月かけてゆっくり |
パターンは原因を絞り込む最初の手がかりにすぎず、確定診断には必ず病院での検査が必要です。

このような場合は、早めに動物病院を受診する必要があります。
次のいずれかにも該当する場合は、単なる脱毛ではなく病気が隠れている可能性が高いです。早めに動物病院で検査を受けることをお勧めします。 - 脱毛部に浸出液・膿・悪臭がある場合 - 数日間で急速に広がりが見られる場合 - 家族の中に円形の発疹が現れている場合(皮膚糸状菌症の疑い) - 飲水量と排尿量が増加している場合(クッシング症候群など、副腎・ホルモン疾患の疑い) - 1歳未満の犬で広範囲な脱毛が見られる場合(全身性毛包虫症の可能性あり)


品種ごとに特に注意すべき脱毛
一部の犬種は遺伝的に脱毛症になりやすい傾向があります。該当する犬種をお迎えされている飼い主様は、日頃からよりこまめに状態をチェックしてあげてください。 - ダックスフンド・チワワ:パターン脱毛(耳・胸部・腹部の対称的な進行性脱毛) - ポメラニアン・シベリアンハスキー:毛包異形成症、アロペシアX(カラー変性アロペシアを含む) - ブルドッグ・パグ:皮膚のしわ部分の細菌感染による脱毛 - シェパード・ゴールデンレトリバー:甲状腺機能低下症の多発


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Hill P, '100 Top Consultations in Small Animal General Practice' Ch.33 The dog that is losing hair
[2] BSAVA Manual of Canine and Feline Dermatology, 4th Edition — Symmetrical Alopecia in Dogs
[3] The Veterinary Workbook of Small Animal Clinical Cases, Case 48 — Alopecia differential