犬の目の充血や目やにには、結膜炎、角膜潰瘍、眼瞼内反など、さまざまな眼科疾患のサインが隠れています。色や併発する症状から緊急度を判断し、迅速に対応する方法をご紹介します。

| 項目 | ステップ1 経過観察 | ステップ2 24時間以内に受診 | ステップ3 直ちに救急 |
|---|---|---|---|
| 目やにの色 | 透明・薄茶色 | 黄色・薄緑色 | 緑色・膿・血性 |
| 充血の程度 | 軽いピンク色 | 鮮やかな赤 | 暗赤色・むくみを伴う |
| 痛みのサイン | なし | 目をこする・まばたきの増加 | 目を開けられない・食欲低下 |
| 角膜の状態 | 透明 | やや濁り | 白く濁る・潰瘍 |
| 推奨される対応 | 12〜24時間経過観察 | 当日に動物病院 | 夜間救急 |
上記の基準は一般的なガイドであり、犬・高齢犬は1段階上に保守的に判断してください。

今すぐ救急病院へ行くべきサイン
次のいずれかに該当する場合は、夜間でも24時間対応の動物救急病院を受診してください。時間が経つほど、視力低下のリスクが高まります。 • 目を全く開けられず、痛みでうめき声を上げている • 角膜(黒目の上にある透明な膜)が白濁しているか、へこんでいるように見える • 眼球が普段より腫れているか、飛び出しているように見える • 外傷後に出血性の分泌液が出ている • 突然、視界障害による衝突(家具や壁にぶつかるなど)が見られる

短頭種・小型犬の飼い主さんが必ず知っておくべきこと
パグ、シーズー、ペキニーズ、ブルドッグなどの短頭種は、眼球が突出しやすい構造のため、角膜が外部にさらされやすい傾向があります。同じような刺激を受けても、角膜潰瘍や慢性結膜炎に急速に進行するリスクが高くなります。 • 散歩後は、ぬるま湯で湿らせたガーゼで目元を優しく拭いてあげてください。 • 人間用の人工涙液や目薬を勝手に点眼しないでください。ステロイド成分は角膜潰瘍を悪化させる可能性があります。 • 目やにが24時間以内に減らない場合は、自己処置を中止し、動物病院を受診してください。


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Esson DW, Calvarese S. Clinical Atlas of Canine and Feline Ophthalmic Disease, 2nd Edition. John Wiley & Sons, 2022
[2] Maggs DJ, Miller PE, Ofri R. Slatter's Fundamentals of Veterinary Ophthalmology, 6th Edition. Elsevier, 2018
[3] Gelatt KN. Veterinary Ophthalmology, 6th Edition. Wiley-Blackwell, 2021