猫が飼い主の頭を舐めるのは、大抵の場合愛情表現ですが、過度に繰り返す場合はストレスや皮膚疾患のサインである可能性があります。状況に応じて見分ける方法をご紹介します。

| 項目 | 正常な愛情表現 | 注意が必要なサイン |
|---|---|---|
| 頻度 | 短く終わり自分から止める | 長時間・反復的に続く |
| 伴う行動 | ゴロゴロ音、ふみふみ | 鳴き叫ぶ、落ち着かない |
| 猫のコンディション | 穏やかでリラックス | 瞳孔が拡大、耳が後ろに倒れる |
| 被毛・皮膚の変化 | なし | 猫の口周りのよだれの跡・脱毛 |
| 中断したときの反応 | 素直に止める | さらに執拗に繰り返す |
複数の項目が「注意」側に当てはまる場合は、行動相談が必要です。

このような場合は、ストレスのサインかもしれません。
グルーミング行動が急に増えた場合や、飼い主さんの頭だけでなく、自分の腹部や脚まで過剰に舐めて毛が抜けている場合は、「心因性脱毛」などの行動障害が疑われます。引越し、新しい家族の加入、多頭飼育による猫同士のトラブルなどの環境変化の直後に症状が悪化した場合は、特に注意が必要です。24時間以上続く場合や、皮膚に赤い跡が見られる場合は、動物病院で相談してください。

保護者の安全に関する注意事項
傷のある部位、薬を塗った皮膚、そして染めた直後の頭皮は、猫が舐めないように注意してください。一部の人間用製品(ミノキシジル、エッセンシャルオイルなど)は猫に中毒を引き起こす可能性があります。シャンプーの成分が残った頭髪も同様です。飼い主さんが薬を使用している場合は、完全に乾かした上で、可能であれば帽子やタオルで覆うのが安全です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Rodan I., Heath S., Feline Behavioral Health and Welfare, Elsevier, 2016
[2] Heath S., A Professional's Guide to Feline Behaviour: Understanding, Improving and Resolving Problems, CABI, 2023
[3] Horwitz D.F., Mills D.S., BSAVA Manual of Canine and Feline Behavioural Medicine, 2nd Ed, BSAVA, 2009