動物の緊急救命専門医が一般の獣医師とどう異なるのか、どのような状況で受診すべきなのかをお伝えします。24時間対応の動物病院との違い、専門医の資格、診療費用までまとめました。

| 項目 | 一般獣医師 | 24時間夜間病院 | 救急医学専門医 |
|---|---|---|---|
| 診療時間 | 平日の日中 | 夜間・週末 | 24時間常駐 |
| 研修期間 | 獣医大6年 | 獣医大6年 | 獣医大6年 + レジデント3〜4年 |
| 集中治療室(ICU) | なし | 簡易観察室 | 専門ICUを運営 |
| 人工呼吸器 | なし | 一部保有 | 常時運用 |
| 輸血対応 | 限定的 | 可能 | 自前の血液バンクを保有 |
| 診療費 | 低い | 中間(夜間割増) | 高い(専門診療報酬) |
国内では「救急医学専門医が常駐する病院」はまだ少数です。訪問前に電話で確認してください。

移動中にも見逃してはいけないこと
緊急時、最も致命的なミスは「自分で薬を飲ませること」です。解熱剤や鎮痛剤(特に人間用のアセトアミノフェンやイブプロフェン)は、ペットに急性腎不全や肝障害を引き起こす可能性があります。呼吸が弱っている子は無理に水を飲ませず、発作を起こしている子の口の中には何も入れないでください。その代わりに、時間・症状・現在服用中の薬のリストをメモし、救急病院に電話して到着予定時刻を伝えておけば、病院側で事前に処置の準備を行うことができます。

猫を飼っている飼い主さんは、さらに注意が必要です。
猫は痛みを隠す性質があるため、緊急の症状に気づいたときには、すでに病状がかなり進行していることが多いです。特にオス猫の尿道閉塞、猫の呼吸困難、急性心筋症は、数時間のうちに命を落とす可能性のある疾患です。『猫の救急集中治療医学』の教科書でも、犬とは治療法が異なるほど「猫専用の救急対応プロトコル」を別途扱っているほどです。猫の診療経験豊富な救急専門病院を選ぶのが安全です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Drobatz, K.J., Hopper, K., Rozanski, E., Silverstein, D.C., Small Animal Critical Care Medicine, 3rd Ed, Elsevier, 2023
[2] Sherri Wilson, Feline Emergency and Critical Care Medicine, 2nd Ed, Wiley-Blackwell, 2021
[3] American College of Veterinary Emergency and Critical Care (ACVECC) Certification Standards