犬のTENS(経皮的電気神経刺激)は、痛みの緩和と筋肉の回復をサポートするリハビリテーション療法です。適応症、使用上の注意点、家庭用機器の選び方までまとめました。

| 項目 | TENS(経皮的電気神経刺激) | NMES(神経筋電気刺激) |
|---|---|---|
| 主な目的 | 痛みの緩和 | 筋肉の収縮・筋力強化 |
| 刺激の特性 | 感覚神経を刺激するレベル | 低周波・長いパルス幅で筋肉の運動神経を刺激 |
| 強度 | 感覚を感じるレベル | 筋肉が目に見えて収縮するレベル |
| 適応症 | 慢性の痛み、神経疾患、術後の痛み | 筋萎縮の予防、自力で動くのが難しい回復期 |
| セッション時間 | 獣医師が状態に合わせて指定 | 獣医師が状態に合わせて指定 |
家庭用機器の中には両方のモードに対応しているものもあります。必ず獣医師がモード・強度・時間を指定したうえで使用してください。

電気刺激を使用してはいけない場合
次のような犬には、TENSやNMESを使用しないでください。症状を悪化させたり、深刻な副作用を引き起こしたりする可能性があります。 - ペースメーカー(心臓ペースメーカー)を装着している犬 - 妊娠中の犬 - 電極を貼る部位に腫瘍・感染症・開放性創傷がある場合 - 重度の不整脈や心疾患がある犬 - てんかん発作の既往歴がある犬(頭部・首回りに適用する場合) - 血栓の可能性がある血管の上 - 電極貼付部位に皮膚炎や火傷がある場合 これらに一つでも該当する場合は、必ず事前に獣医師に相談してください。

副作用が現れた場合は、すぐに使用を中止してください。
まれですが、次のような反応が見られた場合は、直ちに治療を中止し、獣医師にご連絡ください。 - 電極装着部位に発赤、水疱、やけどの跡が見られる - 治療中に犬が突然苦痛の声を上げたり、逃げ出そうとする - セッション終了後に、かえって跛行(ほこう)が悪化する - 筋肉の痙攣が止まらなかったり、震えが持続する - 装着部位を執拗に舐めたり、掻き続ける 特に皮膚が薄い小型犬や毛量の少ない品種ではやけどのリスクが高いため、各セッションの前後に必ずパッドの状態と皮膚を確認してください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Millis DL, Levine D, Canine Rehabilitation and Physical Therapy, 2nd Edition, Chapter 18: Electrical Stimulation
[2] Zink MC, Van Dyke JB, Canine Sports Medicine and Rehabilitation, 2nd Edition, Chapter on Therapeutic Modalities
[3] Levine D et al., Electrical Stimulation in Small Animal Rehabilitation, Veterinary Clinics of North America: Small Animal Practice, 2005