ペットを亡くした飼い主が経験する「ペットロス」の悲しみの5段階を順に整理し、それぞれの段階で実践できる健全な対処法をご案内します。

| 項目 | 第1段階 否認 | 第2段階 怒り | 第3段階 取引 |
|---|---|---|---|
| 主な感情 | 信じられない、放心 | 罪悪感、恨み | 後悔、もしもの仮定 |
| 代表的な考え | 「すぐに戻ってくる気がする」 | 「なぜもっと早く気づかなかったのか」 | 「もう一度やり直せるなら」 |
| 持続期間 | 個人差が大きく一定ではない | 個人差が大きく一定ではない | 個人差が大きく一定ではない |
| 推奨する対処 | 感情を抑え込まない | 書くこと・会話で表出する | 十分な喪の時間を持つ |

このような症状がある場合は、専門家の相談が必要です。
悲しみは自然な反応ですが、次のような症状が長期間続き、日常生活に深刻な支障をきたす場合は、「複雑性悲嘆(Complicated Grief)」の可能性があります。専門的な心理カウンセリングや、精神科・心療内科での受診が必要です。 - 睡眠や食欲が著しく低下した状態が長期間続く場合 - 日常生活(通勤・家事など)が営めない - 自傷や自殺の衝動 - 他の家族やペットに対する極度の過保護や不安 - アルコールや薬物に依存する状態

周囲の家族と接する際の注意点
ペットロスを経験しているご家族に対して、「そんな動物のために」「新しい子を飼えばいいのに」といった言葉は絶対に避けてください。そのような発言は悲しみを否定されたような気持を与え、回復をさらに難しくしてしまいます。代わりに「とてもお辛いでしょう」「きっと会いたい気持ちですね」といった共感の言葉をかけてあげてください。お子さんがいる場合は、死の事実を隠さず、年齢に合わせた形で正直に説明することが、健全な悲しみの処理(グリーフケア)につながります。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Kübler-Ross, E., On Death and Dying, Routledge, 1969
[2] Packman W. et al., Continuing Bonds and Psychosocial Adjustment in Pet Loss, Journal of Loss and Trauma, 2011
[3] American Veterinary Medical Association, Pet Loss and Bereavement Guidelines, 2020