散歩、キャンプ、登山などの屋外活動中にペットに起こりうる緊急事態に備えるための、救急キットの必須アイテムと使い方を獣医学的根拠に基づいてまとめました。

| 項目 | 必須構成 | 追加構成 |
|---|---|---|
| 止血・傷の管理 | 滅菌ガーゼ、自着性包帯、生理食塩水 | 止血パウダー、傷洗浄用シリンジ |
| 消毒・抗菌 | クロルヘキシジン希釈液、消毒ティッシュ | 抗生物質軟膏(獣医師の処方) |
| 道具 | 先丸ハサミ、ピンセット、ダニ取り器 | 体温計(直腸用)、懐中電灯、手袋 |
| 保温・脱水 | 非常用ビニール毛布(エマージェンシーブランケット)、携帯用水筒 | 電解質パウダー、折りたたみ式ボウル |
| その他 | エリザベスカラー(折りたたみ式)、キャリー代用スリング | 経口用シリンジ、使い捨て手袋、マイクロチップ・保険証の写し |
必須構成は300g以内で、ジッパー袋1つに収納可能です

すぐに病院へ搬送が必要なサイン
以下の症状が1つでも見られた場合は、応急キットを用いた応急処置を行った上で、できるだけ速やかに動物病院へ搬送してください。 - 歯茎が蒼白または紫色に変色する - 10分以上止血しない - 呼吸が非常に速い、またはパンティングが継続する - 意識が混濁する、または倒れて起き上がれない - 毒性物質(殺鼠剤・チョコレート・キノコ)の摂取が疑われる - ヘビやハチに刺された後、顔面浮腫や嘔吐を伴う

猫の飼い主さんが必ず知っておくべきこと
猫の応急処置は犬とは異なります。犬には安全なクロルヘキシジンでも、高濃度では猫に刺激を与え、一部のエッセンシャルオイルや殺虫剤成分は少量でも中毒を引き起こす可能性があります。キャリーケースや洗濯ネットは必ずキットと一緒に準備し、怪我をした場合は無理に抱えず、タオルで包んでストレスを軽減してから病院へ連れて行ってください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Drobatz KJ, Hopper K, Rozanski E, Silverstein DC. Textbook of Small Animal Emergency Medicine. Wiley-Blackwell, 2018
[2] Little SE. Feline Emergency and Critical Care Medicine, 2nd Edition. Wiley-Blackwell
[3] Creedon JMB, Davis H. Advanced Monitoring and Procedures for Small Animal Emergency and Critical Care, 2nd Edition. Wiley-Blackwell