犬や猫に行われる最小侵襲手術の種類と、それぞれの手術の特徴、回復期間をまとめたガイドです。

| 項目 | 開腹手術 | 低侵襲手術 |
|---|---|---|
| 切開の大きさ | 比較的大きな切開が必要 | 小型のポート穴が数個(数mm単位) |
| 回復期間 | 比較的長い | 比較的短い(手術・患者の状態によって異なる) |
| 術後の痛み | 中等度~高い | 低い~中等度 |
| 感染リスク | 比較的高い | 比較的低い |
| 費用 | 普通 | 比較的高い |
| 可能な手術範囲 | ほぼすべての領域 | 限定的(専門機器が必要) |
費用・回復期間は病院、患者の状態、手術の種類によって大きく変わることがあり、表の値は一般的な傾向を示したものです。


最小侵襲手術が常に正解というわけではありません。
最小侵襲手術には多くの利点がありますが、すべての症例で適用できるわけではありません。腫瘍が大きい場合、臓器に癒着がある場合、あるいは重度の出血リスクがある場合などは、手術中に開腹手術へ切り替える必要があることがあります。また、専用機器と熟練した専門医が必要となるため、対応可能な病院は限られています。手術前には、担当の獣医師に「開腹手術へ切り替える可能性」「使用する機器の種類」「執刀医の経験」について必ず確認してください。

猫にとって特に有利な理由
猫は大きな切開による痛みや長期の入院に敏感に反応しやすく、その負担が回復を遅らせる要因になることがあります。獣医外科の文献では、腹腔鏡や胸腔鏡といった最小侵襲アプローチが組織損傷や術後の痛みを軽減し、比較的早い回復をもたらすと報告されており、この利点は回復の負担を減らす必要がある猫にとっても有益です。痛み管理が比較的容易になるため入院期間が短くなる傾向がありますが、具体的な退院時期は手術の種類や個体の状態によって異なるため、担当獣医師の判断に従うことが重要です。ただし、猫は体格が小さいため使用可能な器具が限られるため、小動物の腹腔鏡手術に豊富な経験を持つ病院かどうかを確認することが大切です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Fossum TW. Small Animal Surgery, 5th ed. Elsevier, 2019
[2] Tobias KM, Johnston SA. Veterinary Surgery: Small Animal, 2nd ed. Elsevier, 2018
[3] Freeman LJ. Veterinary Endosurgery, Mosby, 1999
[4] Mayhew PD. Advanced laparoscopic procedures in dogs and cats. Vet Clin North Am Small Anim Pract, 2016