マロピタント(商品名:セレニア)は、犬や猫の嘔吐を抑える代表的な抗嘔吐薬です。効果、使用時期、副作用、注意事項をわかりやすくまとめました。

| 項目 | セレニア注射 | セレニア錠 |
|---|---|---|
| 投与経路 | 皮下/静脈内注射 | 経口服用 |
| 主な使用状況 | 病院入院・手術・急性嘔吐 | 家庭での服用・乗り物酔い予防 |
| 効果発現 | 速い(数十分以内) | 1〜2時間後 |
| 持続時間 | 約24時間 | 約24時間 |
| 飼い主の利便性 | 病院への来院が必要 | 自宅で投薬可能 |
剤形の選択は嘔吐の重症度と状況に応じて獣医師が決定します。

このような場合は、マロピタントだけに頼ってはいけません。
嘔吐抑制剤は「症状」を抑えるだけの薬です。異物摂取、腸閉塞、中毒など、原因治療が緊急な状況では、嘔吐を抑えることがかえって診断を遅らせ、危険を招く可能性があります。獣医集中治療学の教科書でも、抗嘔吐剤はすべての嘔吐患者に必ず投与するものではなく、原因を正確に把握するためにはある程度の嘔吐を許容した方が適切な場合もあると記載されています。嘔吐が繰り返される、血が混じる、腹部が膨らむ、元気がないなどの症状が伴う場合は、病院でまず原因を確認する必要があります。

特定の状況では、より一層注意が必要です。
非常に幼い犬・猫、妊娠中や授乳中のペット、そして重度の肝疾患を抱えている子には、投与の可否を慎重に判断する必要があります。また、他の薬(特に肝臓で代謝される薬)と併用する場合は相互作用の可能性があるため、現在摂取中のサプリメントや処方箋薬をすべて獣医師にお知らせください。人間用の嘔吐止めを代わりに与えることは絶対に避けてください。犬や猫は人間とは薬物代謝経路が異なるため、同じ成分であっても反応が大きく異なる可能性があるからです。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Ed — Vomiting: Pathophysiology and Management
[2] Handbook of Veterinary Pharmacology — Antiemetic Drugs
[3] Plumb's Veterinary Drug Handbook — Maropitant Citrate