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猫のフード選び完全ガイド — 年齢・体質別基準を総まとめ

消化器Q&Aモンシルジャン獣医学アドバイザリー

猫は完全肉食動物であり、栄養必要量は犬とは全く異なります。子猫・成猫・老猫の年齢別、肥満・消化器系が敏感な体質・泌尿器系が弱い体質など、それぞれの状態に合ったフード選びの基準を、獣医栄養学の教科書を根拠にまとめました。

猫の餌、どうやって選べばいいのでしょうか?

様々な餌の前に座っている健康な猫
猫のフード選びのポイントは、年齢体質成分の3つです。 猫は完全肉食動物なので、犬とは栄養必要量が全く異なります。タンパク質の割合が高く、タウリンなどの必須アミノ酸が含まれていることが不可欠です。タウリンが不足すると、心臓病や視力低下を引き起こす可能性もあるほど重要な成分です。 同じ猫でも、子猫・成猫・老猫によって必要なカロリーや栄養素の比率が異なり、肥満や消化器の敏感さといった体質的な特性も考慮する必要があります。この記事では、年齢別・体質別のフード選びの基準を一つずつお伝えします。

年齢によって必要な栄養が異なります。

猫はライフステージによって必要な栄養素のバランスが異なります。米国猫獣医協会(AAFP)のシニア猫ケアガイドラインでは、7〜10歳を成熟期、11〜14歳をシニア期、15歳以上をシニア末期に分類しています。フードを選ぶ際は、こうしたライフステージも考慮すると良いでしょう。 子猫期(12ヶ月まで):急速な成長を支えるため、高蛋白・高カロリーのフードが必要です。成長期には成猫の維持期よりも多くのエネルギーが必要ですが、適切な量は体型や成長速度によって異なりますので、パッケージの表示や獣医師のアドバイスをご参照ください。 成猫期(約1〜7歳):目標は体重の維持です。適切なタンパク質と脂質のバランスを持つフードを与え、ボディコンディションスコア(BCS)を確認しながら与え量を調整してください。 シニア期(約7歳以上):慢性腎臓病がある場合は、タンパク質とリンが調整された療法食が役立つことがあります。ただし、筋肉量を保つためには良質なタンパク質が依然として重要ですので、シニア猫のフード変更は独断で行わず、獣医師と相談してから決定するのが安全です。

年齢別フードの選び方をひと目で確認

猫はライフステージごとにタンパク質や脂質の必要量が異なります。以下の表は、一般的に推奨されるキャットフードの選び方の基準をまとめたものです。ただし、製品によって栄養設計が異なるため、正確な数値はパッケージの栄養成分表と「完全栄養食」の表示を併せてご確認ください。
区分タンパク質(乾物基準)脂質カロリー主な確認ポイント
子猫(12ヶ月未満)高めに十分に高カロリータウリン含有量・完全栄養食の確認
成猫(1~7歳)適切な水準適切適切なカロリー体型(BCS)・去勢・避妊の有無
高齢猫(7歳以上)良質なタンパク質を維持適切活動量に応じて腎臓などの疾患がある場合は獣医師に相談
猫は完全肉食動物であり、犬よりもタンパク質の必要量が高く、タウリンは必須です。具体的な含有量基準については、製品ごとの栄養成分表と獣医師のアドバイスをご参照ください。

体質別のフード選びのポイント

同じ年齢でも、猫によって体質は異なります。以下の基準を参考に選んでみてください。
肥満傾向: 低カロリーで食物繊維が豊富な餌が役立ちます。パッケージに「体重管理用」または「ライト」と記載されている製品を探してください。L-カルニチンが含まれていると、脂肪代謝をサポートしてくれます。
消化器が敏感: 単一タンパク源の餌が適しています。穀物の代わりに、サツマイモやジャガイモなど消化しやすい炭水化物原料を含む製品をおすすめします。
尿路が敏感: マグネシウムとリンの含有量が調整された尿路ケア専用餌を検討してください。水分摂取を増やすため、ウェットフードの割合を高めるのも有効な方法です。
体型が異なる三匹の猫が、それぞれに合った餌を食べる様子

餌の切り替えは必ずゆっくり行ってください。

同じ年齢でも、猫によって体質は異なります。以下の基準を参考に選んでみてください。 肥満傾向: 適正体重の維持が重要です。カロリーが調整された「体重管理用」や「ライト」と表記された製品が役立ちますが、何より体形スコア(BCS)を定期的に確認し、与える量を管理することが大切です。食物繊維を強化したフードは、満腹感を得るのに役立つ場合があります。 消化器の敏感さ: 急な食事の変化は胃腸を刺激する可能性があるため、新しいフードに切り替える際はゆっくりと移行してください。単一のタンパク質源や、消化しやすい原料で作られた製品が役立つ場合があります。 尿路の敏感さ: 水分摂取量は猫の下尿路の健康と関連しています。そのため、水分含有量の高いウェットフードの割合を増やして水分摂取を促すことが役立つ場合があります。また、尿路ケア専用フードが必要かどうかは、獣医師にご相談の上、判断されるのが安全です。

キャットフードの成分表示表、こんなふうに読んでみましょう

キャットフードのパッケージ裏面の成分表示を読めるようになれば、良いフードを見極める目が養われます。
原材料の表示順: 最初に記載されている原材料が、最も多く含まれていることを意味します。最初の原材料が肉類(鶏肉、サケ、七面鳥など)であるか確認してください。「副産物」や「肉粉」が最初に記載されている場合は、品質が低い可能性があります。
粗タンパク質: 乾燥物基準で30%以上が望ましいです。「粗(そ)」とは総量を示す言葉です。
完全栄養食の表示確認: パッケージに、米国飼料検査官協会(AAFCO)の基準に基づく「完全栄養食(Complete and Balanced)」の記載があるか確認してください。この記載があれば、必須栄養素がすべて含まれていることを意味します。
ルーペでキャットフードの成分表示を確認する様子と、その横で見守る猫

ウェットフードとドライフード、どちらがよいのでしょうか?

ウェットフードとドライフードには、それぞれ長所と短所があります。この両方を組み合わせて与えることで、猫の嗜好性や水分摂取の面でメリットが得られることがあります。
区分ドライフードウェットフード
水分含有量約10%約75〜80%
保管の利便性高い(常温保存可能)開封後は冷蔵が必要
歯の健康歯石予防に一部効果あり(限定的)効果的
水分摂取別途給水が必要自然な水分補給が可能
嗜好性普通高い
特に水分摂取量が不足している、または下部尿路の健康が気になる猫には、水分含有量の高いウェットフードの割合を増やすことが役立つことがあります。

1日の与え方はどのように決めるのでしょうか?

キャットフードのパッケージに記載されている給与量は、あくまで参考基準です。愛猫の体重、活動量、去勢・避妊の有無に応じて調整が必要です。
カロリー基準: 猫の1日あたりの必要カロリーは、体重、活動量、去勢・避妊の有無によって異なります。同じ体重でも個体差が大きいため、パッケージの給与ガイドラインを起点としつつ、体組成スコア(BCS)を確認しながら量を調整するのが最も正確です。
去勢・避妊後: 去勢・避妊後は、活動量や代謝が変化し、太りやすくなる傾向があります。体重が増え始めたら、肥満を予防するために給与量を減らしてください。
自由給餌と定量給餌: 決まった時間に決まった量を与える定量給餌は、食事量の管理や食欲の変化を観察する上で有利です。自由給餌と1日1回の定量給餌を併用する方法もよく、多頭飼いの場合は、各猫が適切な量を食べられているか観察が必要です。体重は定期的にチェックすることで、変化を早期に気づくことができます。
計量された餌を食べている猫と、与え量管理アイコン

疾患のある猫の場合は、必ず獣医師にご相談ください。

慢性腎臓病、糖尿病、尿路結石、食物アレルギーなどの基礎疾患がある猫の場合、一般的なキャットフードではなく、獣医師による処方食が必要になることがあります。インターネットの口コミだけでフードを変更すると、かえって症状が悪化する恐れがあります。特に腎臓病のある猫に、自己判断で高蛋白のフードを与えると腎臓への負担が大きくなる可能性があるため、必ず担当の獣医師と相談してから決定してください。

この記事を監修した獣医師

Dr. Tony — Punnawat Phongkittirak

Dr. Tony — Punnawat Phongkittirak

獣医師

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。

よくあるご質問

グレインフリー(穀物不使用)のフードの方が良いのでしょうか?
必ずしもそうとは限りません。猫に穀物アレルギーが確認されていない限り、穀物を含むフードでも十分に問題ありません。むしろ、一部のグレインフリーフードでは炭水化物の代替として豆類を過剰に使用している場合もあるため、成分表をしっかりと確認することがより重要です。
生食(生肉)の餌を与えても大丈夫ですか?
生肉には、サルモネラ菌や大腸菌などの細菌感染のリスクがあります。獣医栄養学の教科書でも、免疫力が低い子猫や高齢猫には推奨されていません。どうしても生肉を与えたい場合は、獣医栄養専門家の指示を受けて栄養バランスを整えるのが安全です。
餌とオヤツの割合はどのように調整すればよいでしょうか?
おやつは1日の総カロリー量の10%を超えないことが原則です。残りの90%は完全栄養食のドライフードで補うことで、栄養バランスが保たれます。おやつを多く与えた場合は、その日のドライフードの給与量をそれに応じて減らしてください。
猫のフードを犬に与えても大丈夫でしょうか?
だめです。猫のフードは犬のフードよりもタンパク質と脂肪の含有量が高く、タウリンなどの猫に必須の栄養素が追加されています。逆に、猫に犬のフードを与えると、タウリン不足により心臓や目に問題が生じる可能性があります。
餌を頻繁に変える必要があるのでしょうか?
特別な理由がない限り、頻繁にフードを変更する必要はありません。ただし、同じタンパク源を長期間与え続けるとアレルギー発生のリスクがあるという見方もありますので、2~3か月ごとにタンパク源(鶏肉→サケ→七面鳥など)をローテーションする方法を検討してみるのもよいでしょう。

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参考文献

[1] Applied Veterinary Clinical Nutrition, 2nd Ed — Chapter 8: Commercial and Home-Prepared Diets (Fascetti & Delaney)

[2] Small Animal Clinical Nutrition, 5th Ed — Chapter 20: Normal Cats (Hand, Thatcher, Remillard, Roudebush)

[3] Nutrient Requirements of Dogs and Cats — National Research Council (2006)

[4] Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Ed — Chapter 25: Nutritional Support

この情報は獣医学の文献に基づいて作成されており、診断・治療に代わるものではありません。具体的な健康上の問題は獣医師にご相談ください。

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