猫は完全肉食動物であり、栄養必要量は犬とは全く異なります。子猫・成猫・老猫の年齢別、肥満・消化器系が敏感な体質・泌尿器系が弱い体質など、それぞれの状態に合ったフード選びの基準を、獣医栄養学の教科書を根拠にまとめました。

| 区分 | タンパク質(乾物基準) | 脂質 | カロリー | 主な確認ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 子猫(12ヶ月未満) | 高めに | 十分に | 高カロリー | タウリン含有量・完全栄養食の確認 |
| 成猫(1~7歳) | 適切な水準 | 適切 | 適切なカロリー | 体型(BCS)・去勢・避妊の有無 |
| 高齢猫(7歳以上) | 良質なタンパク質を維持 | 適切 | 活動量に応じて | 腎臓などの疾患がある場合は獣医師に相談 |

餌の切り替えは必ずゆっくり行ってください。
同じ年齢でも、猫によって体質は異なります。以下の基準を参考に選んでみてください。 肥満傾向: 適正体重の維持が重要です。カロリーが調整された「体重管理用」や「ライト」と表記された製品が役立ちますが、何より体形スコア(BCS)を定期的に確認し、与える量を管理することが大切です。食物繊維を強化したフードは、満腹感を得るのに役立つ場合があります。 消化器の敏感さ: 急な食事の変化は胃腸を刺激する可能性があるため、新しいフードに切り替える際はゆっくりと移行してください。単一のタンパク質源や、消化しやすい原料で作られた製品が役立つ場合があります。 尿路の敏感さ: 水分摂取量は猫の下尿路の健康と関連しています。そのため、水分含有量の高いウェットフードの割合を増やして水分摂取を促すことが役立つ場合があります。また、尿路ケア専用フードが必要かどうかは、獣医師にご相談の上、判断されるのが安全です。

| 区分 | ドライフード | ウェットフード |
|---|---|---|
| 水分含有量 | 約10% | 約75〜80% |
| 保管の利便性 | 高い(常温保存可能) | 開封後は冷蔵が必要 |
| 歯の健康 | 歯石予防に一部効果あり(限定的) | 効果的 |
| 水分摂取 | 別途給水が必要 | 自然な水分補給が可能 |
| 嗜好性 | 普通 | 高い |

疾患のある猫の場合は、必ず獣医師にご相談ください。
慢性腎臓病、糖尿病、尿路結石、食物アレルギーなどの基礎疾患がある猫の場合、一般的なキャットフードではなく、獣医師による処方食が必要になることがあります。インターネットの口コミだけでフードを変更すると、かえって症状が悪化する恐れがあります。特に腎臓病のある猫に、自己判断で高蛋白のフードを与えると腎臓への負担が大きくなる可能性があるため、必ず担当の獣医師と相談してから決定してください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Applied Veterinary Clinical Nutrition, 2nd Ed — Chapter 8: Commercial and Home-Prepared Diets (Fascetti & Delaney)
[2] Small Animal Clinical Nutrition, 5th Ed — Chapter 20: Normal Cats (Hand, Thatcher, Remillard, Roudebush)
[3] Nutrient Requirements of Dogs and Cats — National Research Council (2006)
[4] Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Ed — Chapter 25: Nutritional Support