子犬の十字靭帯断裂は、後ろ足を引きずる跛行の代表的な原因です。断裂の症状、手術の種類、段階別のリハビリ方法を獣医学の教科書を根拠にまとめました。

| 手術方法 | 原理 | 適応対象 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 関節外縫合固定術 | 人工縫合糸で関節外部を安定化させる | 小型犬 | 比較的簡便で、手術時間も短い傾向があります |
| 脛骨高平部水平化骨切り術 | 脛骨上部の傾斜角度を変更する | 中・大型犬 | 中・大型犬の膝関節の安定化に頻繁に用いられます |
| 脛骨粗面転位術 | 脛骨の前部を骨切りし、前方へ移動させて安定化させる | 中・大型犬 | 脛骨の前側断片を前方へ移動させて固定する手術です |

手術を先延ばしにしてはいけない理由
前十字靭帯断裂が疑われる場合、無理な運動や散歩を続けると半月板(膝の軟骨板)の損傷が追加で起こる可能性があります。半月板まで損傷すると手術がより複雑になり、回復期間も長引きます。また、治療をしないと変形性関節症に急速に進行します。後ろ足を引きずるような跛行が2~3日以上続く場合は、早めに獣医師の診断を受けてください。


リハビリ中にこのような症状が見られた場合は、すぐに動物病院へお越しください。
リハビリテーション期間中に、手術部位が急激にひどく腫れたり、滲出液が出たり、臭いがしたり、足を全く着けられなくなる場合は、直ちに手術を受けた病院へお越しください。感染症や手術部位の合併症が考えられます。また、反対側の後ろ足でも断裂が生じる可能性があるため、反対側の足の跛行にも注意深く見守ってください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Textbook of Veterinary Orthopaedic Surgery — Chapter 13: Cranial Cruciate Ligament Disease
[2] 100 Top Consultations in Small Animal General Practice — Chapter 49: Cranial Cruciate Ligament Insufficiency (Martin Owen)
[3] The Dog Care Handbook: Things I Wish My Vet Had Told Me — Cruciate Ligament Injuries
[4] Small Animal Surgery, 5th Ed (Tobias & Johnston) — Chapter 33: Diseases of the Stifle Joint