犬の精巣腫瘍は早期発見が重要です。飼い主の方が知っておくべき原因、症状、治療法、予後に関する重要な情報をまとめました。



すぐに病院を受診する必要があるサイン
片方の睾丸が急激に腫れたり、左右のサイズ差がはっきりしたり、乳腺の肥大や脱毛といった雌性化の兆候、歯茎からの出血や元気消失が併発する場合は、動物病院での診察が必要です。一部のセルトリ細胞腫では骨髄抑制を引き起こす可能性があるため、早期の確認が重要です。睾丸腫瘍の多くは去勢手術で良好に治療できますので、異常が見られたら早めに受診することをお勧めします。


| 項目 | エビデンスレベル | 役割 | 適した場合 |
|---|---|---|---|
| 精巣摘出術(去勢) | 確立されている | 第一選択・根治目的 | ほとんどの精巣腫瘍 |
| 放射線治療 | 限定的 | 補助的に検討 | 稀な悪性・手術が難しい場合 |
| 化学療法 | 限定的 | 補助的に検討 | 稀に転移が確認された場合 |
精巣腫瘍はほとんどの場合、去勢手術のみで根治します。放射線・化学療法は、稀に悪性であったり転移が確認された場合に限り、獣医師と相談の上で検討します。
注意:精巣腫瘍は転移する可能性があります。
精巣腫瘍は稀にリンパ節などへ転移することがあります。ただし、間質細胞腫(ライディヒ細胞腫)のように転移がほとんど見られない種類が多く、転移自体は一般的ではありません。それでも、手術後は定期的な経過観察で転移や再発の有無を確認することが安全です。早期発見と継続的な管理が大きな助けとなります。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Heaton, C.M. et al. (2020). Clinical Evaluation of toceranib for treatment of apocrine gland anal sac adenocarcinoma in dogs. Journal of Veterinary Internal Medicine, 34(2), 873–881.
[2] BSAVA Manual of Canine and Feline Dermatology, 4th Ed. (2021). Chapter 18: Anal Sac Neoplasia.
[3] Jubb, K. (1993). The pancreas. In Pathology of Domestic Animals. Elsevier.