ご自宅でペットに緊急時の包帯を巻く際の基本的な原則と、ステップごとの方法を解説します。部位ごとの注意点や、病院を受診すべき基準もまとめてあります。

| 項目 | 1層(接触層) | 2層(中間層) | 3層(外層) |
|---|---|---|---|
| 役割 | 傷を直接覆う・吸収 | 圧迫・パッド | 固定・防水 |
| おすすめの材料 | 滅菌ガーゼパッド | 綿包帯またはキャストパッド | 自着性弾性包帯(コーバン) |
| 巻く方向 | 傷に直接のせる | 足先から上へらせん状に | 2層の上に重ねて巻く |
| 注意点 | 綿・ティッシュの使用禁止(繊維が付着) | 薄すぎると圧迫だけが強くなる | 皮膚への直接接触禁止 |
3層とも指を2〜3本は外に露出させて、血液循環を確認できるようにする必要があります。

絶対にやってはいけない失敗
家庭で包帯を巻く際、最も危険なミスは「巻きすぎ」です。血流が遮断されると、露出した指先が赤くなったり腫れたり冷たくなったりして組織が損傷する恐れがあるため、巻いた後は必ず圧迫の度合いと指先の状態を確認してください。 - 伸縮性包帯は伸ばさず巻く(緩んだ状態のまま巻く) - 指先を完全に覆わない(循環確認が不可能になるため) - ゴムバンド・紐・一般的なテープで固定しない(皮膚損傷のリスク) - 傷に軟膏を厚く塗って巻かない(感染悪化の恐れ) - 応急包帯を長時間放置しない(一時的な処置であり、濡れたり臭いがしたりすれば感染の兆候です) 包帯を巻いた側の指先が紫色になったり、冷たかったり、腫れが見られた場合は、直ちに包帯を外し、動物病院へお越しください。傷に接着しない非粘着性ドレッシングを使用し、傷は清潔で適度に湿った状態を保つのが望ましいです。

このような場合は、家庭用包帯で応急処置するよりも、まず動物病院を受診してください。
次のような状況では、包帯を巻いている時間さえ惜しいことがあります。圧迫止血を行いながら、すぐに病院へ向かってください。 - 蛇口のように血が噴き出す動脈出血 - 傷が5cm以上開いている場合 - 腹部や胸部が貫通した貫通傷 - 骨が皮膚の外に出ている開放性骨折 - 頭部、首、目の周囲の大きな傷 - ショックの兆候(歯茎の蒼白、呼吸困難、意識低下) このような場合は、包帯よりも清潔なタオルで強く押さえて止血しながら、すぐに移動することが命を救います。


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Fossum, T.W., Small Animal Surgery, 5th Edition, Chapter 14 - Management of External Wounds, 2019
[2] Plumb, D.C., Veterinary Drug Handbook, 9th Edition - Emergency and Critical Care
[3] Ettinger, S.J., Textbook of Veterinary Internal Medicine, 8th Edition - First Aid and Emergency Management