犬と猫の歯肉手術の種類、切開と再建の方式の違いを獣医学の基準に基づいてまとめました。術前の準備から術後の回復管理方法まで、一度に確認できます。

| 項目 | 切開(フラップ)手術 | 歯肉再建手術 | 歯周腫瘍切除 |
|---|---|---|---|
| 目的 | 深い歯周ポケットの洗浄・歯根の露出 | 退縮した歯肉の修復 | 腫瘍・病変の除去 |
| 麻酔 | 全身麻酔 | 全身麻酔 | 全身麻酔 |
| 回復期間 | 7〜14日 | 14〜21日 | 14〜28日 |
| 手術の難易度 | 中程度 | 高い | 高い |
| 再発の可能性 | 管理すれば低い | 低い | 経過観察が必須 |
手術方式と回復期間は患者の状態によって変わることがあります

手術前に必ず確認すべき事項
全身麻酔が必要な手術ですので、事前検査が非常に重要です。高齢の方や基礎疾患のあるペットは、獣医師の判断により心臓・腎臓・肝臓の機能を含む血液検査を受ける必要があります。若く健康な動物でも、基本的な血液検査が推奨されます。手術前には十分な絶食が必要で、具体的な絶食時間や水分摂取の有無は担当獣医師の指示に従って調整してください。普段服用中の薬がある場合は、手術日程を組む際に必ずお知らせください。風邪の症状や下痢が見られる場合は、安全のため手術を延期することをお勧めします。

小型犬や猫は特に注意が必要です。
チワワ、ヨークシャー・テリア、ポメラニアンなどの小型犬は、歯が密集しているため歯周病が急速に進行しやすくなります。また、猫には「外側歯根吸収病変(FORL)」という特有の疾患があり、目視での診察だけでは発見が難しいため、歯科用X線検査が必須です。どちらの場合も、定期健診の周期を6ヶ月から1年に短く設定することをお勧めします。手術を避けるためには、何よりも幼い頃から歯磨きの習慣をつけることが、最も効果的な予防策となります。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Fossum TW. Small Animal Surgery, 5th ed. Elsevier, 2018 - Chapter on Oral and Periodontal Surgery
[2] Verstraete FJM, Lommer MJ. Oral and Maxillofacial Surgery in Dogs and Cats, 2nd ed. Saunders, 2019
[3] Wiggs RB, Lobprise HB. Veterinary Dentistry: Principles and Practice. Lippincott-Raven, 1997
[4] Bellows J. Small Animal Dental Equipment, Materials and Techniques, 2nd ed. Wiley-Blackwell, 2019