犬におけるブドウ・レーズンによる腎毒性は、少量の摂取でも急性腎障害を引き起こしうる重篤な中毒症です。飼い主の方が必ず知っておくべき重要な情報をまとめました。



すぐに動物病院を受診すべきサイン
犬がブドウやレーズンを食べた後、数時間以内に嘔吐、下痢、食欲不振、元気のなさ、尿量の減少などの症状が見られた場合は、すぐに動物病院へ連れて行ってください。特に尿がほとんど出ないか全く出ない(少尿・無尿)場合や、激しい腹痛がある場合は、予後が不良となる可能性のある緊急状態です。症状が全くない場合でも、摂取が疑われる場合は直ちに動物病院に連絡して相談してください。


| 項目 | 時間帯 | 対処方法 | 予後 |
|---|---|---|---|
| 初期対応 | 6時間以内 | 催吐・胃洗浄、活性炭の投与 | 良好 |
| 中期治療 | 数時間〜48時間 | 静脈輸液、腎数値・尿量のモニタリング | 普通 |
| 遅延治療 | 乏尿・無尿が進行した場合 | 静脈輸液・腎臓食などの支持療法 | 不良 |
適切な除去と輸液治療を受ければ予後は良好で、乏尿・無尿が現れると予後が悪くなります。直ちに病院を受診することが不可欠です。
注意:一部の犬は少量でも中毒反応を示すことがあります。
ブドウやレーズンを食べた犬のうち、ごく少量でも深刻な腎臓障害を引き起こす場合があります。症状が全くなくても、動物病院への受診をお勧めします。予防が最も重要ですので、絶対に与えないでください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Blackwell's Five-Minute Veterinary Consult Clinical Companion, Small Animal Toxicology, 3rd Edition
[2] The Dog Care Handbook, Things I Wish My Vet Had Told Me
[3] Coyne SR, Landry GM. Tartaric acid induces toxicity in Madin-Darby Canine Kidney cells, but not Human Kidney-2 cells in vitro and is prevented by organic anion transporter (OAT) inhibition and human OAT-4 transfection. J Vet Emerg Crit Care 2023;33(3):298–304.