犬の白内障は、水晶体が白く濁って視力を失う目の病気です。症状の確認から手術の時期、回復過程まで、飼い主さんが知っておくべきことをまとめました。


| 項目 | 初発期 | 未熟期 | 成熟期 | 過熟期 |
|---|---|---|---|---|
| 水晶体の混濁度 | 10%以下 | 10~99% | 100% | 100% + 収縮・吸収 |
| 視力の状態 | ほぼ正常 | 部分的な視力 | 失明寸前 | 完全失明 |
| 手術時期の適合性 | 最も良好 | 良好 | やや低下 | 低い(進行・合併症を伴うことが多い) |
| 合併症のリスク | 低い | 低い | 中程度 | 高い(水晶体誘発性ぶどう膜炎) |
獣医眼科学の教科書に基づく一般的な進行段階です。段階が進むほど合併症のリスクが高まるため、早期に相談するとよいでしょう
このような症状が見られる場合は、すぐに救急病院へ!
白内障自体は緊急疾患ではありませんが、合併症が生じた場合は直ちに動物病院を受診する必要があります。目が赤く充血し、痛みで頻繁にこすったり、瞳孔の色が急に変化したりする場合は、水晶体誘発性ぶどう膜炎や緑内障を合併している可能性があります。緑内障が進行すると視力を回復させるのが困難になるため、こうした症状が見られた場合はためらわず、できるだけ早く緊急診療を受け、永久的な失明を防ぐことが重要です。

手術前の必須検査は必ず受けましょう。
白内障手術の成功率を高めるためには、術前の精密検査が不可欠です。網膜がすでに損傷している場合、水晶体を交換しても視力が回復しないためです。必ず受けるべき検査は、眼圧測定、電気網膜図検査(ERG)、眼球超音波検査の3つです。糖尿病の犬の場合は、血糖値のコントロール状態も必ず確認した上で手術日程を決定する必要があります。


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Gelatt KN, Gilger BC, Kern TJ. Veterinary Ophthalmology, 5th Edition, Chapter: Canine Cataracts
[2] Maggs DJ, Miller PE, Ofri R. Slatter's Fundamentals of Veterinary Ophthalmology, 6th Edition
[3] Davidson MG, Nelms SR. Diseases of the canine lens and cataract formation. In: Veterinary Ophthalmology