分離不安・攻撃性・強迫行動などで、獣医師から薬物治療を勧められた際に、飼い主さんから最もよくいただく質問をまとめました。薬の種類、効果が出るまでの時間、副作用、トレーニングとの併用法など、重要なポイントをお伝えします。


| 項目 | 主な対象となる行動 | 効果が現れるまでの時間 | 使用方法 |
|---|---|---|---|
| 抗うつ薬(SSRI系) | 分離不安・強迫行動・慢性的な不安 | 最低4〜6週間 | 毎日長期にわたって服用 |
| 抗うつ薬(三環系) | 分離不安・攻撃性 | 最低4〜6週間 | 毎日長期にわたって服用 |
| 抗不安薬(ベンゾジアゼピン系) | 急性の不安・騒音恐怖症 | 通常1〜2時間以内 | 状況に応じた短期使用 |
| その他(セロトニン調整薬など) | 攻撃性・慢性的な不安 | 数週間〜数か月 | 毎日または状況に応じて |
薬の選択と用量は、必ず獣医師が犬の状態に合わせて決定します。

飼い主さんが決して一人で行ってはいけないこと
獣医師の処方箋なしで、人間用の精神科薬やインターネットで購入した鎮静剤を愛犬に与えてはいけません。薬を飲ませていたのを突然中止すると、離脱症状や行動の悪化が生じる可能性があります。効果がゆっくりと感じられたとしても、独断で用量を増やしたり減らしたりしないでください。必ず担当の獣医師にご相談の上、指示に従ってください。

このような犬の場合は、薬の選択前に追加の確認が必要です。
薬物治療を開始する前には、全血球数検査や生化学検査、既往歴の確認を行い、薬物の代謝や排泄に影響を及ぼす可能性のある基礎疾患をまず確認する必要があります。肝疾患のように薬物の除去に影響を与える疾患がある場合、使用可能な薬物の種類や用量が変更される可能性があります。また、妊娠中や授乳中、あるいは特定の品種のように薬物反応が異なる可能性がある場合は、選択できる薬物が制限されることもあります。このような状況では、必ず事前に獣医師に相談し、わんちゃんの状態に合わせて薬物を慎重に選択するようにしてください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Kanthasamy A, Hsu WH. Chapter 5: Behavior-Modifying Drugs. In: Handbook of Veterinary Pharmacology. Wiley-Blackwell, 2009.
[2] Horwitz DF, Mills DS (eds). BSAVA Manual of Canine and Feline Behavioural Medicine, 2nd ed. BSAVA, 2009.
[3] Overall KL. Manual of Clinical Behavioral Medicine for Dogs and Cats. Elsevier Mosby, 2013.
[4] Mertens PA, Torres S, Jessen C. The effects of clomipramine hydrochloride in cats with psychogenic alopecia: a prospective study. J Am Vet Med Assoc. 2006;219:1557–1561.