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診断名の英語略語ガイド

免疫力Q&Aモンシルジャン獣医学アドバイザリー

動物病院の診療記録によく登場する英語の略語の意味と、それを解釈する方法を、保護者の視点に立ってまとめたガイドです。CHF、DM、CKDなど、よく使われる略語の意味と、確認すべきポイントを解説します。

診断略語とは何ですか?

獣医師が保護者に診療記録の英語略称を説明している様子
診断名の英語略称は、動物病院の診療記録や検査票によく登場する医学用語の省略表記です。限られた診療時間の中で獣医師が効率的にコミュニケーションを取るために作られた標準的な略称ですが、保護者の方にとっては馴染みがなく、戸惑ってしまうこともあるかもしれません。最も大切なのは、わからない略称はすぐに獣医師に確認することです。略称の背後にある疾患の重症度や管理方針は大きく異なる可能性があるためです。

なぜこんなに略語が多いのですか?

獣医学の教科書や論文は英語で書かれていることがほとんどなので、国際標準の略語をそのまま使うケースが多いです。また、診療記録は限られたスペースに多くの情報を盛り込む必要があるため、略記が慣習となっています。問題なのは、同じ略語でも文脈によって意味が異なる可能性がある点です。例えば、「DM」は糖尿病を指すことが多いですが、神経科では退行性脊髄症を意味します。

よく見られる診断の略語をひと目で確認

項目英語のフルネーム日本語の意味
CHFCongestive Heart Failureうっ血性心不全
DMDiabetes Mellitus糖尿病
CKDChronic Kidney Disease慢性腎臓病
IBDInflammatory Bowel Disease炎症性腸疾患
FLUTDFeline Lower Urinary Tract Disease猫下部尿路疾患
HGEHemorrhagic Gastroenteritis出血性胃腸炎
URIUpper Respiratory Infection上部呼吸器感染症
OAOsteoarthritis変形性関節症

同じ略語でも診療科・文脈によって異なる意味になる場合があります

免疫・内分泌関連の略語を詳しく見ていきましょう。

IMHA: 免疫介在性溶血性貧血(Immune-Mediated Hemolytic Anemia)で、免疫系が自身の赤血球を攻撃する重篤な疾患です。
IMT: 免疫介在性血小板減少症(Immune-Mediated Thrombocytopenia)で、血小板が減少し出血のリスクが高まります。人間医学で使われるITPと混同されやすいですが、獣医臨床病理の教科書ではIMTと表記されるため、診療記録での表記をご確認ください。
HAC: 副腎皮質機能亢進症(Hyperadrenocorticism、クッシング病)を意味します。
HypoA: 副腎皮質機能低下症(Hypoadrenocorticism、アジソン病)です。
このような免疫・内分泌疾患は長期の管理が必要ですので、略語が見られた場合は必ず詳細な説明を受けてください。
獣医師が血液検査の結果を確認し、免疫関連の略語をチェックしている様子

この略語が表示された場合は、必ず詳しくお尋ねください。

IMHA、IMT、CHF、DICといった生命を脅かす可能性のある略語が診療記録に登場する場合は、必ず現在の重症度と緊急治療の必要性を獣医師に確認してください。免疫介在性血小板減少症は、獣医臨床病理の教科書基準に基づきIMTと表記されます。特にDIC(播種性血管内凝固)は、緊急事態である可能性が高いです。略語の横にr/o(除外診断中)やs/p(~手術後)といった記載がないかも併せてチェックしてください。

検査表によく登場する略語も覚えておきましょう

血液検査の結果表には、診断略語と同じくらい頻繁に略語が登場します。 BUN:血中尿素窒素(BUN)— 腎機能の指標 CREA:クレアチニン(CREA)— 腎機能の指標 ALT/ALP:肝機能の数値 WBC/RBC:白血球数/赤血球数 PCV/HCT:赤血球容積率(ヘマトクリット値)— 貧血の有無を確認 TP/ALB:総蛋白/アルブミン — 栄養状態と肝機能 これらの数値が正常範囲から外れている場合、疾病の診断略語と関連付けて解釈されます。結果表を受け取ったら、まず正常範囲の横に記載されている矢印(↑↓)を確認することをお勧めします。
正常範囲が明記された獣医学の血液検査結果書のクローズアップ

r/o、s/p、Tx、Dx——診療の流れを示す略語も区別しましょう

病名だけでなく、診療の流れを示す略語もたくさんあります。 Dx:診断(Diagnosis)— 確定された病名 r/o:鑑別診断中(rule out)— まだ確定されていない疑わしい疾患 Tx:治療(Treatment)— 現在進行中の治療計画 Rx:処方(Prescription) Px:予後(Prognosis)— 今後の経過の見通し s/p:~手術後(status post)— 例:s/p OHE = 避妊手術後 r/oが付いている場合は、まだ確定診断ではないため、追加検査によって可能性の範囲を狭めていく段階であることを意味します。

略語だけを見て、一人で判断しないでください。

インターネットで略語を検索して得た情報だけで自己判断するのは危険です。同じ略語でも、重症度・進行段階・合併症によって対応が全く異なります。例えば、CKD(慢性腎臓病)の1期と4期では、管理方法と予後が全く異なります。診療記録のコピーを取得し、理解できない略語に印をつけておき、次の診察時にまとめて質問すれば、見逃すことがありません。

この記事を監修した獣医師

Dr. Tony — Punnawat Phongkittirak

Dr. Tony — Punnawat Phongkittirak

獣医師

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。

よくあるご質問

診療記録のコピーを依頼してもよろしいでしょうか?
はい、飼い主さんはいつでも診療記録のコピーを請求することができます。動物病院は関連法令に基づき、一定期間診療記録を保管する義務があり、飼い主からの請求があればコピーを提供します。他の病院での診療や保険請求の際に必須となります。
同じ略称なのに、病院によって意味が異なる場合もあるのでしょうか?
はい、ございます。特にDM(糖尿病と脊髄変性症)、GI(消化器と胃腸炎)などの略語は、診療科や文脈によって意味が異なる場合があります。ご不明な点は、必ず担当の獣医師に正式名称をご確認ください。
検査紙の矢印が少し範囲を超えていても問題ないでしょうか?
必ずしもそうとは限りません。正常範囲の境界をわずかに超えた数値は、一時的な変動である可能性もあります。ただし、複数の数値が同時に基準外であったり、経過観察で同じ方向に値が変動し続けたりする場合は、診断上の意味があります。獣医師による総合的な解釈が重要となります。
海外の病院で受けた診療記録は、そのまま日本でも利用できますか?
英語の略称は国際標準が多く、大半は互換性があります。ただし、薬物名や用量の表記方法、一部の診断名については国によって多少異なります。引越しや海外移住の際は、英語の診療記録原本と韓国語の翻訳本を両方用意しておくと安心です。
飼い主さんが事前に知っておくと便利な略語リストはありますか?
わが子が患っている、あるいは疑われる疾患の略称を5〜10個程度事前に覚えておくと便利です。慢性疾患(CKD、DM、OAなど)がある場合、関連する略称や検査値の意味を理解しておけば、診療内容の理解度が大幅に向上します。

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参考文献

[1] Ettinger SJ, Feldman EC, Cote E. Textbook of Veterinary Internal Medicine, 8th Edition

[2] Plumb DC. Plumb's Veterinary Drug Handbook, 9th Edition

[3] Nelson RW, Couto CG. Small Animal Internal Medicine, 6th Edition

この情報は獣医学の文献に基づいて作成されており、診断・治療に代わるものではありません。具体的な健康上の問題は獣医師にご相談ください。

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