愛犬・愛猫の細胞診検査で確認される3つのパターン(炎症・腫瘍・増殖)の違いと、それぞれの意味を、飼い主さんの視点に立ってわかりやすくまとめました。

| 項目 | 炎症パターン | 腫瘍パターン | 増殖パターン |
|---|---|---|---|
| 主に見られる細胞 | 好中球・マクロファージ・リンパ球 | 同じ種類の異常細胞が多数 | 正常に近い組織細胞 |
| 意味 | 感染・アレルギー・自己免疫反応 | 良性/悪性腫瘍の可能性 | 組織が刺激で増えた状態 |
| 緊急度 | 原因によって異なる | 中程度〜高い | 低い |
| 次のステップ | 培養検査・薬物治療 | 組織検査(生検)・画像検査 | 経過観察または切除 |
実際の結果報告書では2つのパターンが混在して出る場合もよくあります

炎症パターンだからといって安心してはいけません。
炎症パターンであっても、細菌感染が疑われる場合は必ず培養検査を追加する必要があります。抗菌剤を独断で変更して使用すると耐性菌が発生する恐れがあり、慢性炎症へと進行すれば最終的に手術が必要になるケースもあります。「炎症だから軟膏を塗れば大丈夫だろう」と軽く考えずに、適切な対応を心がけてください。

細胞診は万能ではありません。
細胞診は迅速で負担の少ない検査ですが、すべての病変を確定診断できるわけではありません。特に線維性腫瘍や硬化した組織、内臓の深部病変などは細胞が採取されにくく、結果が不明確になる場合があります。そのような場合は、組織検査(生検)やCT・超音波などの画像検査を併用する必要があります。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Raskin, R.E., Meyer, D.J., Small Animal Cytologic Diagnosis: Canine and Feline Disease, 2nd Edition, Chapter 1. Sample Acquisition and Preparation
[2] Hnilica, K.A., Patterson, A.P., BSAVA Manual of Canine and Feline Dermatology, 4th Edition, Chapter on Cytology
[3] Valenciano, A.C., Cowell, R.L., Cowell and Tyler's Diagnostic Cytology and Hematology of the Dog and Cat, 5th Edition