犬がニンニクを食べると、赤血球が酸化損傷を受け、貧血を引き起こす可能性があります。摂取量や症状に応じた受診基準と応急処置法についてまとめました。

| 項目 | 危険度 | 対応 |
|---|---|---|
| 舌でなめた程度(粉末ひとつまみ未満) | 低い | 観察+1週間、活力・歯茎の色・尿の色をチェック |
| にんにく1/4片~1片未満 | 注意 | 当日中に病院へ電話相談 |
| にんにく1片以上、または摂取量が不明なとき | 危険 | 直ちに動物病院へ受診 |
| にんにく汁・すりおろしにんにく・ガーリックブレッド | 高危険 | 量に関係なく直ちに受診 |
にんにくは玉ねぎより最大5倍まで毒性が強く、生・調理・乾燥・粉末のどの形態でも毒性は消えません。特にすりおろしたにんにくや粉末は吸収率が高く、丸ごとのにんにくより危険です。玉ねぎ・ニラ・長ねぎを一緒に食べた場合は毒性が合算されるので、種類に関係なく総量を併せてお知らせください。

すぐに救急外来を受診すべきサイン
次のいずれかの症状が見られた場合は、時間をかけて観察せず、すぐに24時間対応の動物救急病院へ連れて行ってください。①歯茎や舌が白っぽく、または黄色く変色する ②尿が濃い茶色や赤色になる ③突然ぐったりして起き上がれなくなる ④呼吸が荒く、心拍数が非常に速い ⑤ニンニクの絞り汁、刻んだニンニク、ニンニク入りの人間の食品を大量に摂取した疑いがある。貧血性危機では輸液、酸素療法、輸血が必要になることがあり、一次医療機関からの紹介が遅れるほど予後が悪化します。

遺伝的により脆弱な品種がいます。
秋田犬などの一部の日本犬種は、ニンニクやタマネギによる酸化損傷に対して遺伝的に特に脆弱であるという報告があります。柴犬や北海道犬など、同系統の犬種も同様の観点から注意を払うのが安全です。これらの犬は、同じ量を食べた場合でも他の犬種よりも貧血がより早く、より重度に現れる可能性があるため、疑わしい兆候が見られたらすぐに病院に連絡してください。また、ニンニクやタマネギは生、調理済み、乾燥、粉末など、どのような形態でも毒性が消失しないため、形態に関わらず注意が必要です。すでに貧血がある子や体調が優れない子は、リスクを一段階高く見積もり、より迅速に対応しましょう。


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Blackwell's Five-Minute Veterinary Consult Clinical Companion: Small Animal Toxicology, 3rd Edition — Allium species (onion, garlic) toxicosis
[2] Lee K, Yamato O, Tajima M et al., Hematologic changes associated with the appearance of eccentrocytes after intragastric administration of garlic extract to dogs, American Journal of Veterinary Research, 2000;11:1446-1450
[3] Guitart R, Mateu C, Agullo AL, Alberola J., Heinz body anaemia in two dogs after Catalan spring onion ingestion: a case report, Veterinarni Medicina, 2008;53(7):392-395