猫が1日にグルーミングに費やす正常な時間と、過剰・不足したグルーミングが示す健康上のサインをまとめました。

| 項目 | 正常なグルーミング | 過剰なグルーミング | 不足したグルーミング |
|---|---|---|---|
| 1日の時間 | 約1時間 | 普段より著しく増加・持続 | 普段より著しく減少 |
| 被毛の状態 | ツヤがあり均一 | 部分的な脱毛・短く切れた毛 | もつれ・毛玉・フケ |
| 皮膚の状態 | 傷なし | 赤み・唾液の跡・かさぶた | 脂性・におい |
| 主な原因 | 本能・習慣 | アレルギー・ストレス・痛み | 高齢・肥満・病気 |
一つの指標だけで判断せず、2つ以上を合わせて観察してください

直ちに動物病院を受診が必要な場合
次のような兆候が見られた場合は、皮膚トラブル、内臓疾患、あるいは行動異常の可能性がございます。症状が24時間以上続いたり、悪化したりする場合は、必ず獣医師の診察を受けてください。 - 皮膚が血が出るほどになるまで、同じ部位を繰り返しなめている - 脱毛の範囲が目立つほど広くなったり、複数の部位に広がっている - 毛づくろいを完全に止めてしまい、毛玉ができている(痛みや不快感のサイン) - 嘔吐、食欲低下、体重減少が併発している

毛玉が頻繁に出てくる場合
グルーミング中に飲み込んだ毛が胃の中で塊になり、ヘアボールとなります。たまにヘアボールを吐き出すのは自然な現象ですが、頻度が急に増えた場合や、嘔吐を伴わずにえずきだけを繰り返す場合は、胃腸の運動機能の低下や異物混入の可能性を獣医師と確認する必要があります。ブラッシングで飲み込む毛の量そのものを減らすのが基本的な予防法であり、ヘアボール対策のフードや食物繊維入りおやつ、十分な水分補給も補助的に役立ちます。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Eckstein, R.A. & Hart, B.L., The organization and control of grooming in cats, Applied Animal Behaviour Science, 2000
[2] Overall, K.L., Manual of Clinical Behavioral Medicine for Dogs and Cats, Elsevier, 2013
[3] Ettinger, S.J. et al., Textbook of Veterinary Internal Medicine, 8th Edition, Elsevier, 2017