帝王切開が必要な状況と、術後の母犬・犬の回復管理法を獣医学的な根拠に基づいてまとめました。
| 項目 | 緊急帝王切開 | 計画帝王切開 |
|---|---|---|
| 状況 | 進行性の難産 | 高リスク品種の予定分娩 |
| 対象 | いきんで陣痛しても20分以上胎児が出てこない | ブルドッグ・フレンチブルドッグ・チワワなど |
| 判断時点 | 陣痛・胎児仮死を確認次第 | 分娩予定日前に獣医師と事前計画 |
| 母体のリスク度 | 高い(遅延時に急増) | 比較的低い |
| 子の生存率 | 早い決断時は高い | 一般的に最も高い |
個別の状態は獣医師の超音波・X線評価で決定されます
すぐに動物病院へ連れて行くべき難産の兆候
以下のいずれかの症状が見られる場合は、一刻も早く24時間対応の動物病院へお越しください。強く陣痛が続くのに20分以上犬(猫)が生まれない場合、胎動が明らかに減った場合、緑色や赤色の分泌物が見られる場合、陣痛が著しく弱まったり止んだりしているのにまだ生まれていない子がいる場合、そして母犬(母猫)がぐったりして体温が下がっている場合です。時間が経つほど胎児と母体の両方に危険が及ぶため、迅速な対応が必要です。
品種・再発に関する注意事項
ブルドッグ、フレンチブルドッグ、ボストンテリア、チワワ、ポメラニアンなどの品種は、骨盤の構造上、自然分娩が困難で、帝王切開を繰り返す確率が高い傾向があります。帝王切開を繰り返すことは、子宮や腹腔内の臓器にさらなる負担をかける可能性があり、母犬の全身状態や子宮の健康に影響を及ぼすことがあります。今後の妊娠を予定されていない場合は、帝王切開と同時に避妊手術を行うことを獣医師にご相談することをお勧めします。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Fossum TW. Small Animal Surgery, 5th Edition, Elsevier, 2019
[2] Grimm KA et al., Veterinary Anesthesia and Analgesia (Lumb and Jones), 5th Edition, Wiley-Blackwell, 2015
[3] Small Animal Anesthesia and Pain Management A Color Handbook, 3rd Edition