犬の遊びと攻撃行動は、しぐさ・声・速さで違いがあります。遊びの合図としては、プレイバウ、緩んだ口元、役割の交代などが挙げられます。

| 項目 | 遊びの行動 | 攻撃の行動 |
|---|---|---|
| 体の緊張度 | ゆるくてふにゃふにゃ | 硬くこわばる |
| 口の形 | 口角を後ろに、舌を出す | 唇が上にめくれて歯・歯茎をむき出す |
| しっぽの位置 | 中くらいの高さ、大きく振る | 高く立てるか足の間 |
| 声 | 低く短い遊びのうなり | 低く長く続く警告音 |
| 役割 | 交互に入れ替わる | 一方が一方的に攻撃 |
| 速度の調節 | よく止まって再開する | 休まず攻撃し続ける |
| 毛 | 平らなまま | 首・背中の毛が逆立つ(ハックリング) |
2〜3個以上の攻撃サインが重なったら、直ちに引き離す必要があります

すぐに離すべき攻撃のサイン
次のような兆候が見られたら、遊びではなく本格的な喧嘩です。呼びかけや笛で注意をそらし、犬を離してください。直接手を差し伸べると噛まれる恐れがあるため、リードや仕切りを活用しましょう。離した後でも、興奮が収まるまで互いに見えないよう十分に隔離する必要があります。 毛が逆立つ:首や背中の毛が硬く立っています。 歯を全面に露出:唇が完全に巻き上がり、歯茎が見えています。 持続する唸り声:途切れることなく低く続く警告音です。 役割交代のない一方的な逃走:一方が逃げ回り続け、反撃や役割の交代がありません。 悲鳴( Yelp )の繰り返し:噛まれた側が鋭く鳴いても、相手がやめません。

遊びの攻撃性を防ぐための社会化のヒント
生後初期の敏感な社会化期に、さまざまな犬と安全に触れ合うことで、「停止シグナル」を自然に学ぶことができます。この時期に単独で飼育された犬は、成犬になっても遊びの強さの調整が苦手な場合があります。犬向けの保育園やパピークラスへの参加が役立ちます。すでに成犬の場合は、体格や性格が似た犬の友達と、短時間でも頻繁に会わせるようにしてください。


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Horwitz D, Mills D. BSAVA Manual of Canine and Feline Behavioural Medicine, 2nd ed., BSAVA, 2009
[2] Landsberg G, Hunthausen W, Ackerman L. Behavior Problems of the Dog and Cat, 3rd ed., Saunders, 2013
[3] Bekoff M. Play signals as punctuation: the structure of social play in canids. Behaviour, 1995
[4] Overall KL. Manual of Clinical Behavioral Medicine for Dogs and Cats, Elsevier, 2013