猫の肺がんは初期症状がほとんどないため、早期発見が難しいのが特徴です。肺への転移が生じると治療選択肢が限られてきますので、飼い主様の理解と迅速な対応が非常に重要となります。



すぐに病院を受診する必要があるサイン
猫が突然激しく息切れしたり、口や唇が青ざめたり、咳と一緒に血が出たりした場合は、すぐに病院へ連れて行ってください。これは肺に深刻な損傷や出血が生じていることを示しており、命に関わる可能性があります。また、咳が24時間以上続いたり、食欲が完全に失われたりした場合は、緊急の診察が必要です。早期対応は治療結果に大きな影響を与えます。


| 項目 | 適用時期 | 効果 | 副作用 |
|---|---|---|---|
| 手術 | 腫瘍が局所的で転移がないとき | 高い | 最良の治療の可能性 |
| 化学療法 | 転移が疑われる、または手術不可のとき | 限定的・緩和目的 | 全身のがん細胞の抑制を試みる |
| 放射線治療 | 腫瘍が小さく局所的なとき | 中程度 | 局所的なコントロールが可能 |
| 保存的管理 | 高齢または全身状態の悪化時 | 低い | 痛みの緩和を中心 |
治療の選択は獣医師との相談のうえ決定する必要があります。生存期間は転移の有無と腫瘍を切除できるかどうかによって大きく変わり、転移を伴う肺癌腫は予後が良くなく、ある研究では平均(中央)生存期間が2か月未満と報告されたこともあります。一方、転移なく腫瘍を完全に切除できた場合には、比較的より良い経過が期待できます。
注意すべき点
猫の肺がんは治療後の再発リスクが高い傾向にあります。特に転移が確認されていた場合は再発率が高くなるため、定期的な経過観察が不可欠です。また、化学療法中には食欲低下、嘔吐、倦怠感などの副作用が現れることがあります。飼い主さんは猫の状態変化を細かく記録し、獣医師と継続的に連携することが大切です。過度なストレスは免疫力を低下させる可能性があるため、落ち着いた環境を整えてあげることが重要です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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