ペットのホスピスケアと安楽死の違い、そしていつどの選択が愛犬・愛猫にとって最善の道となるのかを、生活の質(QOL)の評価基準に基づいてまとめました。

| 項目 | ホスピスケア | 安楽死 |
|---|---|---|
| 目的 | 残された時間の生活の質(QOL)の維持 | 続く苦痛の終結 |
| 適用の時期 | 末期診断の直後、痛みのコントロールが可能なとき | 痛み・呼吸困難が薬でコントロールできないとき |
| 主な処置 | 鎮痛剤・輸液・栄養補助・酸素 | 十分な鎮静の後、安楽死溶液を静脈(IV)に投与 |
| 所要期間 | 数日~数か月 | 意識の消失は速やかに進行(全体の時間は獣医師・個体の状態によって異なる) |
| 飼い主の役割 | 日常のケア・痛みの観察・記録 | 一緒にいてあげる・別れの準備 |
実際の適用時期と方法は担当の獣医師の評価によって変わります。

安楽死の相談をすぐに検討すべきサイン
以下の項目のうち、どれか一つでも48時間以上続き、薬物療法や酸素投与でも改善が見られない場合は、獣医師との安楽死に関する相談を先延ばしにしないでください。 - コントロールできない痛み: 最大用量の鎮痛剤を使用しても、うめき声や震えが続く - 呼吸困難: 酸素供給を行っても、口を開けてハァハァと呼吸し、舌が青紫色になる - 繰り返す痙攣: 抗けいれん剤を使用しても、1日に数回の発作が繰り返される - 食事・飲水の完全拒否: 強制給餌や輸液を行っても、体力の回復が見られない - 自力での姿勢変更不能: 床ずれや排泄物による汚染が繰り返され、痛みを引き起こす 「もう少し様子を見よう」という気持ちが、愛犬・愛猫の苦痛を長くする選択につながってしまうこともあります。

決断した後で自分を責めてしまう気持ちは、自然なことです。
「もう少し早く決断すべきだったか」「あまりにも早く見送ってしまったのではないか」という思いは、ほぼすべての飼い主が経験するプロセスです。獣医学の教科書や臨床ガイドラインでも、飼い主の悲嘆反応を治療プロセスの一部として捉え、獣医療チームがこの過程を共にサポートする役割を果たすことを強調しています。数週間以上、睡眠・食事・日常の生活リズムが乱れ続ける場合は、ペットの喪失に関するカウンセリングを提供する心理相談窓口や、獣医師が推薦するグリーフサポートグループの支援を受けることも検討してみてください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] AVMA Guidelines for the Euthanasia of Animals: 2020 edition, American Veterinary Medical Association
[2] Plumb's Veterinary Drug Handbook, 10th Edition — Pentobarbital chapter
[3] Small Animal Anesthesia and Pain Management: A Color Handbook, 3rd Edition — Euthanasia chapter
[4] Villalobos A., Quality of Life Scale (HHHHHMM Scale), Canine and Feline Geriatric Oncology