猫の耳の形は、大きく分けて直立耳、折れ耳、巻き耳の3種類に分類されます。品種ごとの遺伝的特徴によって、耳の形や健康上の注意点も異なります。ここでは、それぞれのタイプの特徴とケアのポイントをご紹介します。

| 項目 | 立ち耳 | 折れ耳 | 巻き耳 |
|---|---|---|---|
| 代表品種 | コリアンショートヘア、ペルシャ、シャム | スコティッシュフォールド | アメリカンカール |
| 耳の向き | 上へまっすぐ立つ | 前・下へ折れる | 後ろへ巻き上がる |
| 遺伝性疾患リスク | 低い | 骨軟骨異形成症(高い) | 比較的低い |
| 聴力 | 正常 | 正常 | 正常 |
| 特別なお手入れ | 一般的な耳掃除 | 関節の状態を定期的に点検 | 耳の内側の清潔管理 |
同じ品種でも個体ごとに耳の軟骨の状態が異なることがあります

折れ耳の品種は、必ず確認してください。
スコティッシュフォールドのように耳が折れた品種は、「骨軟骨異形成症」という遺伝性の関節疾患を持つ可能性があります。耳の軟骨だけでなく、足や尾の関節にも影響を及ぼすため、成長に伴って跛行(はこう)が見られることがあります。折れ耳の猫を飼う場合は、獣医師と相談し、成長段階に合わせて定期的に関節の状態をチェックすることをお勧めします。動きが鈍くなったり、ジャンプを嫌がったりする様子が見られたら、すぐに動物病院を受診してください。

品種を交配する際の注意点
スコティッシュフォールド同士の交配は遺伝性疾患の発症率を大幅に高めるため、国際的な猫の団体でも推奨されていません。スコティッシュフォールドと立ち耳の猫を交配して生まれた個体にも、骨軟骨異形成症を発症する可能性が残っていますので、里親になる際は親猫の健康履歴を確認することが重要です。外見だけで選ぶのではなく、生涯にわたる健康管理の費用と責任も一緒に考慮してください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Little SE, The Cat: Clinical Medicine and Management, 2nd Edition, Elsevier, 2022
[2] Maggs DJ et al., Slatter's Fundamentals of Veterinary Ophthalmology, 6th Edition, 2018
[3] Kunzel W, Breit S, Oppel M, Morphometric investigations of breed-specific features in feline skulls, Anat Histol Embryol, 2003;32(4):218–223