骨髄吸引検査とは何か、いつ必要になるのか、どのように行われるのか、結果の解釈や回復期のケアまで、飼い主さんが知っておくべき重要なポイントをまとめました。


| 項目 | 骨髄吸引 | 骨髄生検 |
|---|---|---|
| 採取方法 | 注射器で液状の骨髄を吸引 | 骨組織の一部を切り取って採取(中心部生検) |
| 使用する針 | イリノイ・ローゼンタール針(15〜18G) | ジャムシディ針(11〜13G) |
| 確認内容 | 細胞の形態・種類(細胞学) | 骨髄構造・細胞充実度・線維化の有無(組織学) |
| 麻酔 | 鎮静または麻酔(患者の状態に応じて) | 鎮静または麻酔(患者の状態に応じて) |
| 推奨される状況 | 細胞異常の確認 | 細胞が採取しにくい、または線維化・低形成の評価が必要なとき |
両検査は異なる情報を得られるため、併せて実施するのが理想的で、同時に行うことが多いです。獣医師が状況に応じて決定します。
検査前に必ず確認すべきこと
骨髄検査は比較的安全的な検査であり、血小板減少が認められる場合でも、圧迫によって検査部位の出血を制御できるため、それ自体が絶対的な禁忌となるわけではありません。ただし、強い出血傾向がある子については、検査後のあざや出血に備えて事前に評価を受けることが安全です。鎮静や麻酔が必要なため、麻酔前の全身的健康状態の評価が先行して行われ、普段服用中の薬がある場合は、薬剤そのものが骨髄に影響を与える可能性があるため、必ず獣医師にお知らせください。感染症や麻酔関連の合併症は稀ですが、適切な患者の選択と準備が重要です。


猫の場合は特に注意が必要です。
猫の貧血や血液疾患は、FeLV(猫白血病ウイルス)やFIV(猫免疫不全ウイルス)などの感染症が原因となるケースが多いため、骨髄検査と同時にこれらのウイルス検査を行うことが一般的です。また、重度の貧血や全身状態が不安定な猫では麻酔の負担が大きくなる可能性があるため、輸血を先行させる、鎮静レベルを低く抑えて局所麻酔を活用するなど、個々の状態に合わせた対応が必要となります。検査自体のリスクは概して高くありませんが、適切な患者の選択と事前評価が何より重要です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Weiss, D.J., Wardrop, K.J., Schalm's Veterinary Hematology, 6th Edition, 2010
[2] Raskin, R.E., Meyer, D.J., Canine and Feline Cytology: A Color Atlas and Interpretation Guide, 3rd Edition, 2015
[3] Harvey, J.W., Veterinary Hematology: A Diagnostic Guide and Color Atlas, 2012
[4] Ettinger, S.J., Feldman, E.C., Textbook of Veterinary Internal Medicine, 8th Edition, 2017